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  1. 岸和田市議会 2021-08-26
    令和3年第3回定例会(本会議 第3日目) 本文 開催日:2021年08月26日


    取得元: 岸和田市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-21
    2021年08月26日:令和3年第3回定例会(本会議 第3日目) 本文 ▼最初のヒット発言へ(全 0 箇所)    午前10時開会 ◯桑原佳一議長  ただいまから本日の会議を開きます。  まず、議員出席状況を事務局長から報告させます。 ◯高井哲也事務局長  本日の議員出席状況をご報告申し上げます。  ただいまの出席議員は全員です。  以上、報告を終わります。 ◯桑原佳一議長  次に、本日の会議録署名者を会議規則第81条の規定により、私から11番西田議員、13番岩崎議員を指名します。  暫時休憩します。    午前10時01分休憩    午前10時02分再開 ◯桑原佳一議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を前回に引き続き行います。  まず、中井議員。    (22番 中井良介議員登壇
    ◯22番 中井良介議員  発言のお許しを頂きましたので、一般質問を行います。  岸和田の都市農業の振興について質問します。  農業は、林業や漁業とともに、国民に食料を提供するとともに、国土と環境を保全する社会の基盤の役割を果たしてきました。自然条件の制約を大きく受け、自然との共生、循環の中で営まれる産業です。ところが、農林漁業と農山漁村が大きな困難に直面し続けてきました。基幹的農業従事者の42%が70歳以上となり、農業者の減少に拍車がかかっています。耕作放棄地が広がり、生産基盤が弱体化し、日本の食料自給率は38%に低下したままで、先進国の中でも最も低い水準となっています。昨日、農林水産省より、カロリーベースの食料自給率は37%に下がったことが発表されました。  今や食料は、金さえ出せば、いつでも輸入できる時代ではありません。気候変動の生産への影響、発展途上国の人口増加など、政府も、世界の食料需給は、中長期的には逼迫すると予測しています。長引くコロナパンデミックで20か国以上が輸出規制に踏み切ったと言われています。国内向け供給を優先し、自国の食料を確保する流れが起こったのです。  このときの、日本の農業にとって大きな問題を紹介します。日本人の主食の米です。生産者米価が3年続きで下落し、今年は1俵60キログラムが9千円台まで下がると、全国農業協同組合中央会が試算し、危機を訴えています。米の生産費は1万5,155円。そのうち、機械、肥料、燃料費などの物財費だけで9,180円です。米価9千円では米の再生産はできず、大きな農家も小さな農家も米生産は続けられなくなります。  米価暴落の原因は、米が余っているからです。コロナ禍でインバウンドは消滅し、外食産業が苦境に立たされています。コロナ禍の長期化で、米の需給環境はさらに悪化しています。今年の早場米の稲刈りが始まりましたが、2020年産米が倉庫に積み上がり、新米の入る余裕がないと言われています。需要が少なく供給が多ければ値段が下がる、市場経済のこの仕組みは誰でも知っていることです。市場任せでは農業は成り立ちません。政府が買い上げて、値崩れを食い止めなくてはなりません。  ところで、もう一つ問題があります。米が余っているのに、外国から米を輸入しています。ミニマム・アクセス米と言われるもので、貿易協定上、最低限の輸入が義務づけられていると政府は説明しますが、今年、77万トンの外国産米を輸入しています。そして同時に、国内では36万トンの減反拡大をしています。外国産を輸入するために国内産を減らす。食料逼迫の時代が来ると言われているときにこんなことをしているのは、世界広しといえども日本だけではないでしょうか。  さて、岸和田市の農業産出額は府内で3位、耕種、耕して作る作物では府内で1位となっています。営農に励む農家と農協と農業委員会、そして行政が力を合わせて農業を大事にしてきた結果だと思います。先日、丘陵地区の整備状況を見学する機会がありました。製造業地区が先行し、住宅建設が進んでおり、商業地区はこれからですが、農地と、自然の保全地区と、素人の感覚ですが、バランスの取れた整備が進んでいる印象を受けました。しかし、岸和田の農業も全国と同様、農業者の高齢化、農家と農地の減少、後継者不足、遊休地の増加などが進行しています。  以下、岸和田の都市農業の振興について質問します。  1、まず生産緑地制度を取り上げます。  市街化区域における生産緑地制度は、昭和49年、1974年に始まりますが、今後の公共施設のための用地といった位置づけしかありませんでした。それから20年近く経て、1991年、平成3年に都市計画法に生産緑地地区が位置づけられ、市街化区域にある保全された農地として保障されるとともに、30年間の営農義務、建築物の建築の制限とともに、固定資産税が低い農地課税と相続税の納税猶予という特例が受けられるようになりました。都市農業確立の大きな一歩というものです。今年はそれから30年が経過する年です。それに先立って、平成29年に生産緑地制度の改定が行われました。営農義務期間が10年に短縮され、延長できること、農地の広さの下限を500平方メートルから300平方メートルに引き下げたこと、直売所や農家レストランなどの建築ができるようになったことなどが改定内容です。  質問します。今回の生産緑地制度の改定の目的と内容、影響について、どうお考えかお答えください。  次に、都市農業振興基本法──以下「基本法」といいます──について質問します。  この法律は、平成27年、2015年に制定されました。その第1条は、「この法律は、都市農業の振興に関し、基本理念及びその実現を図るのに基本となる事項を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより、都市農業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって都市農業の安定的な継続を図るとともに、都市農業の有する機能の適切かつ十分な発揮を通じて良好な都市環境の形成に資することを目的とする」とあります。都市農業の安定的な継続とか都市農業の機能の十分な発揮、良好な都市環境の形成、これらは、これまでの市街化区域の農地に対する評価の180度の転換と言えるものです。  これまでは、例えば1968年の都市計画法改正では、市街化区域の農地は10年以内に宅地に転用するとしました。そして、1971年の宅地並み課税です。市街化区域の農地は、たとえ農地であっても宅地とみなされ、高額な固定資産税が課され、宅地や駐車場などへの転用が進みました。その後も、住宅建設や公共事業などによって都市農地の7割が失われました。  基本法の第3条は、「都市農業の振興は、都市農業が、これを営む者及びその他の関係者の努力により継続されてきたものであり、その生産活動を通じ、都市住民に地元産の新鮮な農産物を供給する機能のみならず、都市における防災、良好な景観の形成並びに国土及び環境の保全、都市住民が身近に農作業に親しむとともに農業に関して学習することができる場並びに都市農業を営む者と都市住民及び都市住民相互の交流の場の提供、都市住民の農業に対する理解の醸成等農産物の供給の機能以外の多様な機能を果たしていることに鑑み、これらの機能が将来にわたって適切かつ十分に発揮されるとともに、そのことにより都市における農地の有効な活用及び適正な保全が図られるよう、積極的に行われなければならない」とあります。都市農業の振興、評価が変わったのは、都市農業者と関係者の努力と明記された意義は大きいと思います。基本法は、その後の条文で10項目の国が行う基本的施策を上げています。そして、国と地方自治体の責務として、都市農業振興の施策の推進と、そのための計画策定を上げています。  以上申し上げて質問します。  基本法が制定され、国の都市農業振興基本計画もつくられています。法についてどう受け止めておられるかお答えください。  また、地方自治体は、都市農業の振興に関する計画、地方計画を定めるよう努めなければならないとされています。そして、定める際には、都市農業者、住民等の多様な主体の意見を反映させることも明記されています。当然のことですが、大変大事なことと思います。計画の策定は努めるという努力義務でありますが、岸和田の実情に合った都市農業振興計画の策定についてどうお考えか、お答えをお願いします。  以上で1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  松下まちづくり推進部長◯松下貴志まちづくり推進部長  生産緑地制度の改定の目的、内容、影響についてのご質問でございます。まちづくり推進部よりご答弁申し上げます。  生産緑地制度とは、良好な都市環境を確保するため、都市部に残存する農地の計画的な保全を図る制度でございます。市街化区域内農地は宅地化すべきものとしつつ、保全する農地については、その緑地機能や将来の公共施設用地としての保留地機能を積極的に評価して生産緑地として保全することとし、平成3年に都市計画法に生産緑地地区が位置づけられ、本市では、平成4年8月に当初都市計画決定を行っております。その後、人口減少や空き家の増加が進む中、都市農地の多様な機能を十分に発揮させることが良好な市街地形成に資することから、市街化区域内農地の位置づけが、これまでの「宅地化すべきもの」から都市に「あるべきもの」へと転換がなされ、営農継続の観点から法改正がなされました。  次に、主な改正点の内容、影響でございますが、農業の安定的な継続を目的として、議員ご説明のとおり3点ございまして、買取り申出が可能となる期間が10年間延長され、現在適用されている税制措置が引き続き適用される特定生産緑地地区の創設や、地区指定面積要件を引き下げること、農業の収益性を高めるための建築規制の緩和などでございます。  特に、特定生産緑地の指定を受けなかった場合、固定資産税は5年間の激変緩和措置を経て、宅地並み評価、宅地並み課税に上昇し、相続税等の納税猶予を受けている場合は次の相続時には受けることができなくなるなど、税制優遇措置は継続されなくなります。また、結果として農地が宅地化された場合、都市農地として評価する機能、農産物の供給、気温の緩和などの環境保全、避難地・空地としての防災機能、地域コミュニティーの場、みどり、景観など、多目的機能の減少につながる可能性が考えられます。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  魅力創造部よりご答弁申し上げます。  都市農地の在り方につきましては、保全すべきものと認識しております。都市農業振興基本法におきまして、都市農業には新鮮な農産物の供給、農業体験・交流の場、心安らぐ緑地空間、災害時の防災空間、国土・環境の保全、都市住民の農業への理解の醸成と6つの役割が盛り込まれており、都市部において、一定の農地、緑地は必要であると考えております。  都市農業の定義は、市街地及びその周辺の農地となっていて、特定の地域を限定したものではございません。本市におきましては、農業振興地域の整備に関する法律(農振法)に基づいて、農業振興地域の指定、岸和田市農業振興地域整備計画の策定を行っております。本市としましては、都市農業基本計画における都市農地の役割について、一定の部分は農振法による整備計画の中で位置づけているものと考えており、農業振興地域整備計画と計画内容が重複してしまう課題も考慮しなければならないと考えております。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  答弁を頂いて、それに対する意見や再質問を行いたいと思いますが、その前に、もう一度米のことを述べたいと思います。  国に対して、自国の生産を減らして外国から輸入するのはやめるべきだということと、余っている米を買い上げることを求めました。米を買い上げることで値崩れを防ぎ、再生産できる適切な米価に戻すことは、農家の米生産への意欲と誇りを取り戻すことになります。これは、米を主食とする日本国民にとって大変大事なことだと思います。そして、買い上げた米は幾らでも使い道があります。米が余っている一方で、米を食べるに事欠く人々や学生、子供がたくさんいます。子ども食堂や学生向けのフードバンク、今各地で行われていますが、困っている人たちに提供すれば大変喜ばれます。岸和田の農家でも、何俵も提供してくれる人もいます。世界にはもっとたくさんの飢餓状態にある人たちもいます。その人たちに役立ててもらいたいと思います。  答弁いただきましたが、それについて、意見や再質問を行います。  まず、生産緑地のことですが、都市農地の評価が「宅地化すべきもの」から「あるべきもの」、なくてはならないということに変わりました。さきに述べた基本法が大きな出発点となっていると思います。そして、内容は、全て生産緑地の指定を受けやすくするための改定となっています。  1点再質問します。前回から30年を経過して、今回、できるだけ多くの農家が生産緑地指定を受け、農業を続けることを期待して、農協や農業委員会と協力して取り組まれたと思います。その取組や経過をお答えください。 ◯桑原佳一議長  松下まちづくり推進部長◯松下貴志まちづくり推進部長  平成29年度の法改正を受け、都市計画審議会、議会にお諮りし、平成31年4月に面積要件を300平方メートルとして施行してきたところでございます。また、特定生産緑地の指定は、30年を経過してしまうと指定ができなくなり、これまでと同様の税制措置が受けられなくなることから、令和元年度では、JAいずみのや農業委員会、農林水産課と連携し、様々な広報紙で周知するとともに、対象地権者約700名に郵送で案内し、休日を含めた説明会を8回、相談会を8回、郵送による意向調査、そして都市農業の多様な機能について市民に広く周知するため、広報きしわだで特集記事を掲載し、テレビ岸和田でもお知らせしてきたところでございます。令和2年度以降も同様に、関係機関とも連携を図りながら案内通知を続け、意思確認や連絡が取れていない方などの調査、問合せを行ってきたところでございます。  現在の特定生産緑地としての指定等の状況でございますが、全生産緑地の都市計画決定面積は109.47ヘクタールで、その約9割が令和4年度に30年を経過し、面積が約100ヘクタールです。現時点で約80%の方々、面積比約85%が指定に向けた申請がなされております。なお、指定につきましては、現時点では約半数の面積を公示しており、今後も引き続き、関係団体と連携を図りながら取り組んでまいります。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  どういう取組をしてこられたか、よく分かりました。  何度も説明会や案内を行いながら、あるいは相談会を開催しながら、生産緑地指定に向けての取組をされてきました。農業委員会と農協、そして行政、農林水産課と都市計画課がよく連携して取り組まれてきたと思います。いよいよ期限が来るわけですが、最後まで指定が進むように努力をお願いしたいと思います。  岸和田の取組については、「大阪農民会館だより」という小さな冊子があるんですが、そこに紹介されて、私は大変うれしく読みました。今後の都市農業の振興、その拠点が生産緑地です。東京ではもっと指定が受けやすくなっているようですし、地方自治体で裁量の余地があれば、さらに取り組んでいただきたいと思います。生産緑地についての質問はこれで終わります。  次に、都市農業振興基本法について再質問を行います。  ご答弁では、都市農業や都市農地の必要性は理解している、都市農業の6つの機能についても認識していると。しかし、岸和田には既に農振法に基づいて地域指定を行い、農業振興地域整備計画もつくっていると。都市農業の機能や役割についても、今ある計画で対応できるという。したがって、都市農業振興基本法に基づいた新たな計画は必要ないというご答弁です。  大阪府では、この地方計画は非常にまだ少なくて、大阪市を含めて4市しかありません。そういう答弁をされたのは、岸和田市では農地や農業を大事にしてこられたと思います。都市農業の振興も図ってこられました。もう一つの理由は、この基本法では、国の施策がもうひとつ明確ではない、そういう点もあるんだろうと思います。地方計画については後にして、まず1点質問します。  岸和田市は、府内でも農業の振興によく取り組んでいる市だと思います。その意味でも、基本法で挙げられている事例にも、既に取り組んでいることも少なからずあると思います。その取組の中の事例を紹介してください。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  主な取組事例について申し上げます。  まず、農業経営における所得に対する支援としまして、経営所得安定対策として、水田活用の直接支払交付金により、水田で米以外の農作物を耕作する農地の面積に応じて支払いを行っております。  次に、後継者の育成でございますが、新規就農者支援としまして、新たに農業を開始された方について、最長5年間、営農資金を補助する制度もございます。  次に、防災農地としましては、令和元年より防災協力農地の募集を行っており、災害時に避難空間、復旧用の資材置場、仮設住宅建設用地の用途として、令和2年度末時点で8人にご登録いただいております。  また、市民への農業体験の取組としましては、きしわだ生き活き農業応援団におきまして、ジャガイモ、サツマイモといった収穫体験を行っていただいております。  最後に、農業への理解の醸成としまして、農業まつりを開催しております。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  幾つか事例を紹介していただきました。  都市農業も含めて、そういう農業振興に取り組んでこられたことが分かります。新規就農者支援は5年間の支援制度があるわけですが、お聞きしますと、現在その5年の経過にある方が10人おられて、これは府下でも一番多いと伺いました。今のお話の中で、きしわだ生き活き農業応援団が紹介されました。市民の農業体験の場であるとともに、ボランティアと思われますが、どういう人たちがどんな活動をしているのか、もう少し紹介をお願いします。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  きしわだ生き活き農業応援団でございますが、都市農村交流推進、地域農業振興に寄与するとともに、担い手不足による遊休農地や農空間の荒廃解消を目的に、平成20年に設立された団体でございます。神於山土地改良区におきまして農作物の生産をされ、久米田池で朝市を開催されたりしております。本市との関わりでございますが、水ナス研修講座、ジャガイモ、サツマイモの収穫体験を事業として行っていただいております。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  市民が農業に参加する仕組みもあるということです。神於山土地改良区で農作物を作り、朝市で販売して、遊休農地や農空間の保全の役割を果たしているということです。このような市民の取組が、より身近な都市農地でできるようになればいいと思います。  次の質問に移ります。  基本法の地方計画に関わってですが、市の農業振興地域整備計画で、市街化区域の農地の保全や農業振興、市民と農業との触れ合いなどがどう規定されているのか、改めてお尋ねしたいと思います。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  岸和田市農業振興地域整備計画の中で、農用地等の保全計画としましては、地域との協働による自然環境の保全、災害時の空間としての保全、利用権設定による農地の利用等の一通りの役割は計画の中に盛り込まれていると認識しております。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  農用地の保全計画の中で、地域との協働で自然環境や災害時の空間としての保全を図ったり、遊休地とならないような取組も行ったりしているということです。  もう少し、地方計画についてお尋ねしたいと思います。  豊中市の事例を紹介したいと思います。豊中市は、府内で計画をつくっている4市の1つです。決して農業が盛んではなく、むしろ絶滅危惧種と言われるような状況ということです。地方から集まって大きくなった市で、地方では農業をした経験のある人が多いという特徴もあるようです。取組の主体は市の社会福祉協議会で、2016年、平成28年に空き地所有者の協力で、無償で350平方メートルの土地を貸してくれることになり、相談して畑にして都市型農園にすることになりました。ここを拠点に、市内の高齢者、特に男性の参加を目指して、夏野菜の栽培に取り組んできました。翌年には、伊丹空港近くの空き地を800平方メートル借りて、今度は田にして米づくりに挑戦しているということです。  社会福祉協議会は、定年後の男性を、男性だけではないと思いますが、いかに社会参加させるか。自宅に引き籠もらず、地域福祉の担い手として活躍してもらうことを目的として会員を募集し、講習会もやっています。  農業という作業は共同で行いますし、いろんな人が関わって作業します。作業の結果には生産物が実ると。そして、スイカができたら子ども食堂へ持っていって、スイカ割りで一緒に遊んで食べる。ジャガイモやタマネギができたら、豊中あぐりコロッケを揚げて、子供支援のために立ち上げた店で売ると。農と福祉を結びつけているわけです。小さな畑が、農という営みを通じて大事な役割を演じていると思います。ホームページの写真を見ても、住宅に囲まれた砂利の空き地にブロックで囲いを造って土を持ってきて畝を作って畑にしていると。  申し上げたいのは、宅地を農地に変える、逆は多いのですが、こういう発想は、今の市の農業振興地域整備計画では出てこないと思うんです。農地を相手に施策を考えているだけでは、宅地を農地に変えるという発想は出てこないのではありませんか。質問しますが、農業振興地域整備計画があるから、今さら市街地の農業についての計画は必要ないと言わずに都市農業の可能性を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  都市農地振興計画につきましては、岸和田市農業振興地域整備計画と内容が重複してしまうという点のほか、本市において、何のために策定するのか、計画を策定した際にどのようなメリットはあるのか、どのような措置があるのか等、整理・研究すべき点があると考えております。 ◯桑原佳一議長  中井議員。
    ◯22番 中井良介議員  目的が明確ではないという意味の答弁を頂きました。  もう1点。次に、国の都市農業振興計画、国の計画と地方計画があるわけですが、国の計画がこの法の翌年につくられていますので、その一部を紹介したいと思います。  「農業振興施策の本格的展開」という項ですけれども、「市街化区域内の農地に対する農業施策は、生産緑地地区に限って、(中略)市街化区域内農地の大部分を占める生産緑地以外の農地に対しては、長期にわたり本格的な農業振興施策は講じられてこなかった。しかしながら、上述のような都市農業の農業政策における新たな位置付けに鑑みれば農業が今後とも展開されることが確実な都市農地については、今後は、生産緑地か否かにかかわりなく、農業振興施策を本格的に講ずる方向に舵を切り替えていく必要がある」、こういう文言があります。この点をどうお考えなのかお尋ねしたいと思います。  生産緑地以外の農地、小規模ですが、例えば、リタイアしたご主人や奥さんが、自家消費のためであれ、農業をやり、都市の中の貴重な農空間を形成していると思うのです。ここに何らかの施策の展開が必要ではないかということです。くどいようですが、このような農地や農業の振興は、市の農業振興地域整備計画にはないのではないでしょうか。改めて市の計画を求めたいと思いますが、お答えをお願いします。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  国の都市農業振興基本計画におきまして、農業が今後とも展開されることが確実な都市農地については、今後は生産緑地か否かに関わりなく、農業振興施策を本格的に講ずる方向にかじを切り替えていく必要があると記載されております。  生産緑地以外の市街化区域内の農地については、何をもって農業が今後とも展開されることが確実な都市農地と判断するのかが明らかにされておりません。どのような手法で判断するのか、基準が明確ではないと考えております。通例、土地利用等の権利制限とメリット措置、こちらは裏表の密接な関係にございますので、農業振興施策を講ずる際に整理しなければならない難しい課題であると認識しております。  いずれにしましても、国の都市農業振興基本計画を研究して、大阪府下の市町村の動向、他の市町村の事例なども注視しながら検討してまいりたいと考えております。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  いろいろ難しい問題があるということは確かだと思います。しかし、最後に、大阪府とも協議し、他市の状況も見ながら検討していきたいというお答えでした。これまで、私の質問はことごとく否定されてきましたが、今やっと検討するという答弁を頂きました。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  大阪府は、計画を持って取り組んでおられます。ちょっとだけ紹介しますと、新たなおおさか農政アクションプランという名前の大阪府の計画です。  1つ目に、「農業でかっこよく働こう!-「重要な産業」としての大阪農業の振興-」ということで、農業経営体の販売額の10年後の増加目標を立てています。200億円から240億円。2つ目に、「農でくらしを愉しもう!-農を身近に感じ愉しめる機会の充実-」ということで、例えば、直売所や販売所を現在の470件から712件に増やしていくとか。3つ目に、「農空間をみんなで活かそう!-大阪農空間の多様な機能の発揮促進-」、10年後の姿、こういう取組が全ての市町村で行っていけるような目標を持っています。  随分懐が深いというか、取組が行われているように思いますので、ぜひ参考にしていただきながら、岸和田の都市農業の振興、あるいは計画づくりなどにも取り組んでいただければと思います。  ところで、さっき国の基本計画を紹介しましたが、今後は生産緑地か否かに関わりなく、農業振興施策を本格的に講ずる方向にというところです。確かに難しい問題はあるのですが、生産緑地に限らず、市街化区域にある農地の振興を図っていくということがあるわけです。  そのために何が必要かということで、例えば宅地並み課税という税金が生産緑地以外にはかかっています。これが非常に高いわけです。これがどの程度の額かを固定資産税課で教えてもらいましたが、もちろんその農地の場所、その周辺環境、道路に面しているとか違うわけですが、1千平方メートルの土地で生産緑地であれば、固定資産税は農地評価で年3,100円です。ところが、宅地並み課税になると35万円になっています。ある特定の土地のことですが、100倍を超える金額になります。農地であっても宅地とみなされての課税となっています。近所で、160平方メートルほどの土地で農業をやっている方がおられますが、生産緑地にも足りない土地ですが、区画整理があって減歩が行われて、自家消費のために農業を営んでいますが、種子や肥料に費用がかかって収入とはならない。それでも農業を続けるのは、私は偉いと思うんです。生きがいとして、あるいは新鮮なものを食べるということでやっているのですが、この基本法第14条には、「都市農業のための利用が継続される土地に関し、必要な税制上の措置を講ずるものとする」とあります。しかし、国はその後の施策はないわけです。おっしゃるように、いろいろ難しい問題がありますが、こういう点の改善もどうしても必要となると思います。  もう1点、再質問します。  農地が耕作放棄地とならないように、都市農地の貸借の円滑化に関する法律が2018年にできています。これを活用していくことが大変大事なことだと思うのですが、答弁をお願いします。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  生産緑地におきまして、納税猶予を受けられている方が農地法での貸借をされると、原則、税制の優遇措置を受けられなくなります。都市農地貸借法でございましたら、引き続き相続税納税猶予が受けられる制度となっておりますので、農地を継続して耕作していただくには有用な制度であると認識しており、庁内関係部局とも連携しながら周知しております。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  農地を貸しても相続猶予を受け続け、また農地を継続して耕作できる。遊休地にはならないと。しかも、契約が終われば、土地はちゃんと戻ってくることも保障されている。農家にとっては安心して使える制度だと思います。後継者がいなくても耕作放棄地になるのを防ぐ有効な手だてと言えますので、積極的な活用をお願いしたいと思います。  以上で私の質問は終わりですが、最後に、長年農政に関わってこられた戎井副市長に、岸和田の都市農業の振興に何が必要かについて、ご見解を伺いたいと思います。 ◯桑原佳一議長  戎井副市長。 ◯戎井靖貴副市長  本市の都市農業についてお考えをということですので、私から答弁させていただきます。  本市におきまして、生産緑地も含めて、農地をしっかり維持していくことについては大変大事だと思っておりますし、議員ご指摘のとおり、都市住民との交流であるとか体験であるとか、そういったことも含めて、しっかりやっていくことが大事であると考えております。また、人口減少、高齢化等も進む中で、地域の実態に応じて新規就農でありますとか担い手の確保をしていくこと、またスマート農業など、場合によっては農地の基盤整備も含めて、農業の効率化、高収益化などをしっかり進めながら農業振興を図っていきたいと考えております。  議員ご指摘のとおり、豊中市の事例など、大変すばらしいものだと思っておりまして、魅力創造部から答弁させていただきましたが、それを全然否定しているものではございません。本市においてもそういった取組があれば大変すばらしいものだと思っておりますし、市としてもサポートしていきたいと考えてございます。  国の施策も含めて、都市農業の振興には、例えばマルシェを開いたりとか、都市住民と生産者とが交流するような場を設けたりとか、支援策が幾つもございます。そういったものを活用することもできますし、市もしっかり支援していきたいと思っております。  ただ、なかなか難しい問題を魅力創造部からお話をさせていただきましたが、やはり土地利用規制とその支援策、特に分かりやすいのが、例えば土地区画の基盤整備をし、かなりの公共投資をすると、やはりそこについては、しっかり農業をしていただかないといけない。いつでも転用されてしまったら困るという問題もございます。そういったところで、農振法に基づく農用地区域は転用がかなり制限されるものでございます。また、中間にあるということで、生産緑地制度もございます。これは市街化区域内のものでございます。また、議員ご指摘のように、それ以外の市街化区域内の生産緑地でない農地もあると。これもいつでも転用されてしまうというものでございます。  土地利用規制とメリット措置は裏表の関係もございますので、そういったことをしっかり考えながら、農業振興施策を考えていきたいと考えてございます。 ◯桑原佳一議長  中井議員。 ◯22番 中井良介議員  農業や農地は、やはり都市のインフラでもあると思います。そういう意味では、行政も関わって整備することも必要ではないかと思います。  都市農業の今後には、私は大きな可能性があると思っています。またその可能性を生かす必要があると思うのです。  1つ、東京都が行ったアンケートですが、「東京のような大都市の中に農業・農地は必要なのかという議論がありますが、あなたは、東京に農業・農地を残したいと思いますか」という質問に、「思う」と回答したのは85.5%です。「農業・農地にどんな機能や役割を期待しますか」というと、「新鮮で安全な農畜産物の供給」、「緑や環境の保全」、「農作業体験や食育などの教育機能」と続いています。「農業、農地を守るためにどんな支援を行いたいと思いますか」という質問に、「東京都の農産物を購入することで支援」というのが一番多くて、「農家の軒先直売など、地元の農産物を購入すること」、そして3つ目に、「学校給食への地元農産物の割合を増やすことを要望している」というわけです。そして、「農作業の体験をしたいと思いますか」という質問に、「思う」と回答したのが57.1%、「思わない」の17.5%の3倍以上となっています。こういう都市の市民の願いやら期待に応えて、都市農業が一層振興されるように期待を申し上げて終わります。ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  次に、京西議員。    (16番 京西且哲議員登壇) ◯16番 京西且哲議員  議長より発言の許可を頂きましたので、一般質問をさせていただきます。理事者の皆様には、ご答弁よろしくお願い申し上げます。また、議員の皆様方には、しばらくの間、ご清聴賜りますようよろしくお願い申し上げます。  今回の質問の趣旨は、本市の総合計画が効果的に機能することを求めていくものでございますので、ご理解いただきたいと思います。  それでは、通告に従って質問に入らせていただきます。  平成23年5月に地方自治法が改正されました。総合計画の策定義務が削除され、市町村の自主的な判断に策定が委ねられました。本市は、岸和田市自治基本条例第24条で規定しております「総合的な計画」という文言を「基本的な構想及びこれを実現するための計画」に改めるとともに、議会の議決を必要とするという内容に条例を改正いたしました。第4次岸和田市総合計画の期間内での法改正でありましたので、現在策定作業中の次期総合計画が、本市が自主的に定める岸和田市の最上位計画となります。今回は、7月27日に、会派への行政報告として、総合計画の基本構想(骨子案)の説明がございました。議会に上程されるこれからの約1年間、議場において議論を重ね、市民とともに次の12年間の基本計画をつくっていきたいと考えておりますので、今回の質問とさせていただきます。  それでは、通告しております質問に入らせていただきます。  まず1点目、次期総合計画についてでありますが、基本構想(骨子案)の冒頭にあります計画策定の方向性についてであります。  策定に当たっての4つの視点が記載されておりますが、そのうち、行政経営の強化、もう1点、岸和田市総合戦略との一体化、この2点について説明を求めていきたいと思います。説明をお願いいたします。  2点目、岸和田市総合戦略についてでありますが、本年3月に改定された理由と、国は、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を令和2年度から令和6年度までとして予算化しておりますが、配付資料に記載のとおり、近隣市では、国の計画期間と合わせることで、市ごとに戦略を組んでおります。しかし、本市は令和4年度を最終年度として改定した理由も含めて説明をお願いいたします。  3点目、行政評価についてお尋ねいたします。  現在、市のホームページに記載されております施策評価、外部評価、岸和田市事務事業評価について、公表の内容が過去のままでありまして、最新版が公表されていません。現在の実施状況について説明をお願いいたします。  以上が通告による質問であります。ご答弁よろしくお願いいたします。  後の質問については自席から行いますので、ご答弁よろしくお願いいたします。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  総合計画、総合戦略、行政評価に関するご質問でございますので、総合政策部からご答弁申し上げます。  ご質問の1つ目、次期総合計画についての策定の方向性についてでございますが、次期総合計画の策定の方向性で上げております行政経営の強化につきましては、今後の少子高齢化による市税収入の減少や社会保障費の増加に備え、持続的な行政運営を確保するため、行政が担うべきことに経営資源を最大限生かす、選択と集中を重視するものでございます。これは、現在の第4次総合計画である岸和田市まちづくりビジョンにおいて、施政方針や市民意識調査の結果から導き出しております重点目指す成果の考え方や、後ほどご説明差し上げます総合戦略で示す方向性も含めて、また重点施策と財政計画との連動や、証拠に基づいた政策立案の仕組みの活用、行政評価の仕組みについても見直しを行い、効率的で効果的な行政運営を目指したいと考えているものでございます。  一方、総合戦略につきましては、平成26年11月28日公布のまち・ひと・しごと創生法に基づくものでございまして、本市では、地方創生に関する目標、基本的方向、具体的な取組を盛り込んだ岸和田市総合戦略を平成28年2月に、その時点では既に先行しておりました第4次総合計画とは別に策定することとなりました。  ご質問の総合戦略との一体化につきましては、総合戦略に盛り込んでいる具体的な内容が、第4次総合計画に基づき実施している事業の中から人口増加やまちの活性化につながる取組をピックアップしているものであり、総合計画と連動し、効果的な取組展開、進捗管理や評価等を行っていく必要がございますことから、次期総合計画の策定に当たっては、総合戦略と一体化して策定することを予定しておるものでございます。  次に、ご質問の2つ目、岸和田市総合戦略の改訂理由についてでございますが、岸和田市総合戦略では、社会情勢の変化、法令等の変更、市の方針や重要施策等を踏まえ、適宜内容を見直すこととしてございます。令和元年度には、令和2年度から令和6年度までを計画期間とした国の第2期総合戦略が策定されたところでございますが、国の総合戦略の基本的目標等が現行の本市の総合戦略の目指すべき方向と合致するものでございましたことから、総合戦略で掲げるプロジェクトを維持・継続することといたしまして、国の示す視点に合致したまち・ひと・しごと創生に資する新たな取組を追加する等、必要な改定を行うことといたしました。また、改定の際に総合計画との一体化を想定いたしまして、計画期間については、平成27年度から令和元年度までとなっておったところを3年間延長し、令和4年度までの8年間と改定いたしまして、期間を合わせたものでございます。  続いて、行政評価の実施状況についてでございますが、現在の第4次総合計画に基づいた行政評価について、過去の経緯からご説明申し上げますと、平成24年度から平成26年度までは事務事業評価と外部評価を実施し、その内容を公表しておりましたが、平成28年度、機構改革により所管が変わり、行政評価制度の見直しを行いました。具体的には、これまでの事務の効率性に着目した行政評価の仕組みから、事務事業の目的や総合計画に掲げる目標に対する評価といたしまして、新たな形で事務事業評価、施策評価を実施することとしたものでございます。  事務事業評価では、各課におきまして、事務事業の総合計画に掲げる指標への関与度や有効性に着目し、振り返りを行い、効率的・効果的な事務事業の執行に生かすとともに、総合計画の進行管理に活用しております。  また、施策評価につきましては、事務事業評価の結果を基に、総合計画に掲げる目指す成果ごとに現状と課題を整理しており、分かりやすさの観点から、現在、施策評価のみを公表しておるという形でございます。  なお、例年8月に、前年度に実施した事業内容につきまして事務事業評価を実施しておりますが、今年度につきましては、次期総合計画策定に向けて、並行して作業を行っておりますことから、9月に事務事業評価を実施する予定でございます。また、施策評価につきましては、事務事業評価の内容を取りまとめ、12月に公表する予定となっております。 ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  これ以降の質問は、3点全て関連いたしますので、一括して総合的に再質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  最初に、今日配付させていただきました資料について、提示の趣旨等を申し上げていきたいと思います。  1枚目に添付させていただいておりますのが、近隣市の総合計画と総合戦略の基本目標を一覧表にして比較したものでございます。御覧いただいて分かるとおり、近隣市が策定しております総合計画、いわゆるまちの目指す姿は、岸和田市も含めて、泉州地域、ほぼ同じような内容になっておることが分かると思います。また、各市の総合戦略につきましても、総合計画の中から、特に、人口減少問題を重要施策として位置づけておることが確認できるものと思います。  こういう観点から、今後は、先ほど答弁にもありましたように、私もそのように考えておりますが、総合計画と総合戦略をやはり一体化して考えていくべきであろうと思っております。そのことによって両方の計画が一体化されて、市民には分かりやすく、また行政事務がスリムに効率的に動かせるものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  また、併せて、御覧いただいた資料で、この泉州地域全体で考えれば、どういうまちにしていくかという総合計画で描く将来構想がほぼ同じであることから、今後は、行政サービスの広域連携が十分可能であるものと考えておりますので、ご検討をよろしくお願いいたします。  次に、2枚目の資料につきましては、本市が策定いたしております岸和田市の人口ビジョンの抜粋版であります。初版の平成28年に公表された部分と、令和2年に公表された改訂版の資料との比較であります。この約4年間で修正された想定の数値をじっくりと御覧いただいて、次期総合計画を実現可能にするため、基本計画策定に生かすべきと考えておりますので、ぜひこの情報を皆さんと共有していきたいという意味で提示させていただきました。  それでは、再質問を続けさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず1点目、現在の第4次総合計画では、最終年度の令和4年度の本市の想定人口を20万人と定めておりましたが、先日頂いた骨子案には、次期総合計画における最終年度、令和16年度の岸和田市の想定されている人口が記載されておりません。令和16年度の最終年度の岸和田市の人口を何人と想定した上で総合計画を策定するつもりか、ご答弁をよろしくお願いします。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  現在お示ししております次期総合計画基本構想(骨子案)におきまして、将来人口の方向性を、将来のまちの活力や生活利便性を確保するため、子育て環境や住環境の充実など総合計画に定める施策を実施し、子育て世代の転出入の均衡を図り、人口減少のスピードを緩やかにすることを目指すとしております。議員ご質問の基本とする想定人口についてですが、現時点ではまだ具体的な数字を想定しておりませんので、最新の国勢調査の結果や人口ビジョンなども踏まえ、検討してまいりたいと考えております。 ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  ぜひこの辺の分析はきちっとやっていただいて、総合戦略が特に人口問題を取り上げていることから、この12年間でどのようなまちにしていくかは、やはり基本的には人口の問題、それと年齢構成も大変重要になってくるかなと思います。約1年かけて最終的な確定版を出されるということですので、ぜひその点も、実現可能であるような計画、想定できる人口を明確にしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  2点目、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略を受けて策定いたしました岸和田市総合戦略の主要目的は、先ほどから申し上げていますように、人口減少に歯止めをかけることでありますが、この計画以降、岸和田市の人口の減少は止まっておりません。したがって、これまでの取組をきちっと検証していただいて、その結果を基に、この改定版へ反映すべきであると思いますが、改定に当たって、過去の検証がどのように反映されたのか、ご説明をお願いします。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  現在、総合戦略に掲げている取組の成果について、全てではございませんが、成果をはかるための重要業績評価指標、いわゆるKPI(Key Performance Indicator)を設定してございます。このKPIについて、毎年、基準値に対して、向上や改善しているかどうかを確認するとともに、各取組について、地方創生に効果があったかどうかを検証しておるところでございます。  総合戦略策定当初に掲げた取組については、事業が終了したことから、一部改定版に掲げていない事業もございますが、毎年の検証において、事業内容の見直しやKPIの見直し等の助言を外部有識者から頂いた上で、各取組について評価しているところでございます。  しかしながら、議員ご指摘のとおり、人口減少に歯止めがかかっていない状況でございますので、毎年の改定においては、KPIの見直しなどを行うとともに、地方創生に資する本市の取組を総合戦略に追加し、KPIの達成状況等の検証を行い、地方創生に有効であったかどうかを確認することとしております。
    ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  やはり人口減少が止まっていないということで、具体的に数字を申し上げますと、総合戦略を策定したのが平成27年度で、そのときの人口が19万9,257人。1回目の総合戦略の終了年度である令和元年度が19万4,241人、現在が19万1,439人ということで、この間に7,818人が減少いたしております。こういう数字をきちっと把握していただいて取組を考えていかなければならないと思います。  泉州地域全体でもやっぱり人口減少が続いておりまして、苦労されております。やはり、単一の自治体だけではなかなか難しい課題であろうかと思っておりますが、この7月に、岸和田市立図書館がいろんなデータを基にして提示された資料があります。名称は、「データでひもとく岸和田と図書館」という資料なのですが、この中で、かなり面白いというか興味のある分析を図書館がされておりまして、目的は何かというと、将来の図書館はどうあるべきかというところへつながっていくんですけれども、それよりも、今回の質問の部分で使わせていただくのは、この中で、年齢で区切った転出入の動きを取り上げて、子育て世代がどのまちを選んでいるかを客観的に数字で表してくれています。それを見ていきますと、全く泉州地域と違った結果を出しているまちがありますと提示していただいております。それは箕面市なのですが、箕面市のこのデータを見ますと、年齢別の転出入で出しておるのがゼロ歳から4歳までの年齢の転出、転入の数字の差なのですが、岸和田市はほぼ拮抗していまして、ゼロ歳から4歳までの転出入の差が4人プラスなんです。箕面市については、単年度、2020年の転出入ですけれども、249人多いんですね、入ってきているというか、生まれている方もいらっしゃるんですけれども。ここでコメントをつけられているのが、この箕面市というまちは、「子育て世代に選ばれている街になっていますね」というコメント、私もそうかと思います。  こうやって見ていくと、やはり市の打つ施策によって、やはり人口の動きは変わる事例の1つかなと思っています。こういった分析もしっかりと生かしていただいて、今後の計画に活用していただきたいと思いますので、提示しておきます。  次に、人口想定の部分ですが、配付させていただいた人口ビジョンのとおり、本市の人口は令和42年、2060年に約16万9千人になる。人口減少が止まるのが令和62年(2080年)となっています。このときの岸和田市が想定しておる人口、それと年齢構成について、ご説明いただきたいと思います。併せて、表にもありますように、その後は、岸和田市の人口が増加することも人口ビジョンに記載されておりますので、その辺の理由についてもご説明ください。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  令和2年3月に改定した人口ビジョン、本日議員に配付していただきました2枚目の資料の下側に当たるところでございます。この中にございます、出生率が向上し、転入が均衡した場合を想定した人口についてでございますが、令和42年(2060年)には16万8,625人としておりますのは、本市における合計特殊出生率が令和2年(2020年)で1.81、令和12年(2030年)で2.03、令和22年(2040年)以降が2.34と上昇することを仮定し、かつ本市が定住促進策に取り組んで、2021年以降は転出入が均衡した場合の仮定において得られた推計結果でございます。この場合の年齢構成につきましては、令和42年(2060年)では、ゼロ歳から14歳までの人口が2万9,094人、15歳から64歳までの人口が8万8,771人、65歳以上の人口が5万761人となっております。  また、この仮定における令和62年(2080年)の推計人口は16万2,769人となっておりまして、年齢構成を申しますと、ゼロ歳から14歳までの人口が3万754人、15歳から64歳までの人口が9万555人、65歳以上の人口が4万1,460人という推計結果となっております。  出生率が向上し、転出入が均衡する場合に、令和62年(2080年)以降、人口が増加する推計となっております理由につきましては、出生率向上に伴うゼロ歳から14歳の年少人口と15歳から64歳までの生産年齢人口の増加人数が65歳以上の人口の減少数を上回るため、増加に転じることになると推計したものでございます。 ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  これは、かなり楽観的と言ったら失礼ですけれども、いい形に動いたときのシミュレーションなんですよね。そう考えたときに、ここ数年を振り返ると、じゃ、どうなっているか。前の計画を立てたときの例えば出生率であったりとか人口の増減であったりを見たときにどうなっているかというと、やはり改善はされてないんですよね。出生率は、岸和田市の場合はほぼ横ばいで動いているんですけれども、このシミュレーションでいくと、最終的には2.何%まで上がるということで人口が増える、人口減少が止まる、増加に向かうことになっているんですけれども。想定ですから、成功すればこうなるという希望でもあると思います。したがって、やはり効果的な実現性のある施策をしっかりと打たないと駄目で、打てば可能性があるということになると思いますので、そこをしっかりと見ていってほしいと思います。  実際、過去のように、全く効果が出なかった場合はどうなるかというと、2枚目の紙の一番下に書いているように、国立社会保障・人口問題研究所の推計のとおり、令和37年(2055年)に約13万人、続いて2060年には12万1,107人、何の効果も上げられなければここまで落ちますよということなんですよね。こうなってくると、総合計画のプランを含めて、岸和田市、まち全体の財政も含めて、例えば公共施設の在り方、今、皆さんと議論をしている学校であったりとか幼稚園、保育所であったりとかの在り方まで影響する話なんです。だから、こういうシミュレーションを出す以上、実現の可能性をしっかりと上げていっていただくことをぜひお願いしたいと思います。  次に行きます。先ほどの答弁にありましたように、今回は、総合戦略と次期総合計画に一体化するということですけれども、現在、総合戦略を運用しておる中で気になる点があります。一体化することは私も理解しますが、その後、令和5年度以降は、この岸和田市総合戦略という計画自体は廃止されるのでしょうか。また、現在、進行管理、効果検証、評価をされておる岸和田市総合戦略アドバイザー会議については存続・継続されるのかについてご説明ください。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  次期総合計画では、総合戦略を包含することを予定しておりまして、次期総合計画にまち・ひと・しごと創生法に基づき、本市が策定する地方版総合戦略が含まれる形となりますので、岸和田市総合戦略を廃止するということではございません。また、岸和田市総合戦略アドバイザー会議につきましては、次期総合計画との一体化以降も、現在の総合戦略に掲げているような、岸和田市の活力を高め、人口減少に歯止めをかける取組について、外部有識者等からご助言等を頂く必要があると考えてございますので、現在のアドバイザー会議の内容を踏まえて、どのような仕組みでご意見、ご助言を頂くことができるか、今後検討してまいりたいと考えておるところでございます。 ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  今まで説明を受けている中で、国がつくった地方創生推進交付金のスキームの中に、やはり各自治体で、例えば岸和田市においても、この岸和田市総合戦略という計画をきちっと手元に持っていなければ交付金の申請ができないということかと思います。それは理解いたします。併せて、アドバイザー会議のような外部評価委員の評価を経なければ交付金の対象から外れるということも分かります。その上で申し上げますが、このアドバイザー会議という組織、この会議体の設置根拠が全くないんですよね。どういうメンバーでどうやって選んだかも分からない。そのメンバーで交付金の対象になっている事業の評価、検証しているということになっています。  この状態は、僕はよくないと思います。行政評価のところでも説明がありましたように、岸和田市附属機関条例で設置しておる外部評価委員会があります。これは設置根拠があります。しかし、現在は休止状態です。この外部の評価を受けることで交付金対象になるのであれば、きちっと条例で定めてある外部評価委員会にこの業務を委ねてはどうかと思っています。これが1つです。  それと、現在のこの交付金対象の事業の評価、検証をアドバイザー会議が担当しておるのですが、この交付金対象の事業を進める上で、事業母体となっている組織のメンバーがアドバイザー会議のメンバーになっているんですよね。この形を外から見たときに、実施しているメンバーが評価するメンバーに入っているのは、よくない。先ほどの外部評価委員会と、評価するんであれば、事業の組織体のメンバーは外れていただかなければ誤解を招くと思いますので、この2点について、今後検討をお願いいたします。  次に、骨子案の別紙3に記載されておりました都市構造についてお尋ねします。  都市構造の方向性で、今後は、無秩序な市街地の拡散を抑制する。生活を支える様々な機能が集積した拠点を適切に配置・形成するとありました。人口ビジョンでは、これから60年間は人口が減少していきます。市街地の形成には一定の人口規模が必要であります。そのように考えたときに、この総合計画、都市構造で考えておられる最適な拠点の数、またそこに対象となる人口規模をどのように想定しておるのか説明してください。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  骨子案にお示ししている都市構造における拠点についてでございますが、臨海部を工業拠点、臨海部から城周辺及び岸和田駅周辺を都市拠点、市内にある7つの鉄道駅のうち、岸和田駅を除く急行・快速停車駅である春木駅、東岸和田駅周辺並びに丘陵地区を地域拠点、その他の鉄道駅周辺を生活拠点、また、今回新たに大阪府による事業化が進められております都市計画道路泉州山手線と3本の幹線道路との結節点周辺を広域交流拠点と位置づけ、広域幹線道路を生かし、地域の生活を支える様々な機能の集積、産業などの地域特性を生かした拠点を想定しております。  適切な拠点数につきましては、拠点によりまして機能が異なることから、定めてはおりません。  また、拠点を取り巻く人口規模の想定につきましては、人口減少が進む中、無秩序な市街地の拡散を抑えるとともに、拠点へのアクセス性を高めることにより商圏人口を確保し、利便性の高い市街地の形成を目指すものでございまして、市域全体を想定しておるところでございます。 ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  何となく漠然としているんですよ。もうちょっと具体的に、これからできると思いますので、きちっとしたデータを基にして、やっぱり客観的な目で見ていくべきだと思います。  やっぱり都市構造は人口と密接に関係しますし、以前から、本市が基準としている6圏域に住んでいる方の生活エリアを1つのくくりにしていると思います。そうやって見ていくと、その6圏域の中の人口規模であったりとか、年齢構成であったりとか、公共施設の張りつき方であったりとかを既に資料として作られていますけれども、そこと、今回言われている新たな拠点が、きちっと整合の取れたものになっていかないと、まさしく無秩序な、いろんな市街地の開発みたいなところにつながってしまう可能性があり、僕は危険だなと思っています。ここももうちょっとしっかりと見ていかないと。拠点をつくる、新しい市街地をつくる、そこには間違いなくインフラの整備も含めて、いろんなものに、市の支出が生まれてきますので、そこは本当に、無秩序にならないようなまち全体の計画をしっかりと考えていただきたいと要望しておきます。  総合計画の基本構想を実現するために、個別の事業の効果検証がやはり重要です。計画の羅列だけではなく、専門性を持った職員、あるいは専門家に十分な科学的分析と検討をお願いして施策を実行すべきと考えております。証拠に基づいた政策立案の仕組みの活用、行政評価の仕組みの見直しの方向についてという答弁がありました。この点についてご説明ください。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  議員ご質問の証拠に基づいた政策立案でございますが、これは、EBPM(Evidence-based Policy Making)と言われるものでございまして、官民データ活用推進基本法に基づく官民データ活用推進基本計画におきまして、官民データ活用によるEBPMの推進がうたわれております。  次期総合計画の策定に当たりまして、効率的かつ効果的な行政運営に資する方法の検討のため、導入方法などの調査研究を進めてまいりたいと考えております。  また、行政評価の仕組みの見直しの方向性につきましては、評価の時期や評価対象の事業の選別など、実効性のある行政評価の在り方について、調査研究を進めてまいりたいと考えております。 ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  総合計画は令和5年度からスタートします。12年と言いましても、すぐに12年は来ますので、やはりこの辺の評価のシステムで政策立案のシステムを見直す。新たなものにバージョンアップしていくのであれば、早急に庁内でコンセンサスを取ってスタートしていただきたいと思います。そんな簡単にいく話ではないと、多分理解もされていますし、私も説明を受けてそう思いました。スタートには数年かかるものかと思います。したがって、一日も早くこの辺の決定をして、庁内に対して、どこをどうしていくと、具体的に提示されることを求めておきます。  最後の質問であります。  次期総合計画の策定スケジュールについて説明いただきたいと思います。  頂いた骨子案では、今後5回の議会説明を経て、令和4年12月の第4回定例市議会に基本構想と基本計画を上程する計画になっております。今回のこの骨子案の説明のように、会派に来られて行政報告という形で説明されるのではなく、やっぱり議場、議会の場、公の場所で、策定経過の内容を説明していくべきであると思います。それが、ひいては市民への説明、報告につながるものと考えておりますので、今後はその辺を見直ししていただきたいと思います。  また、上程時期を令和4年第4回定例会、12月議会としておりますが、その次の年度、令和5年度からスタートする総合計画と考えると、予算編成がスタートする10月、11月を考えれば、12月ではなくて、もう一つ前倒しした形で議会へ上程されるべきではないかと思いますが、その点について考え方をお聞かせください。 ◯桑原佳一議長  西川総合政策部長。 ◯西川正宏総合政策部長  次期総合計画の策定につきましては、議員ご指摘のとおり、議会の場での議論が市民への報告につながるものと考えておりますので、議会との連携を図り、進めてまいりたいと考えております。  議員ご指摘の議決の時期に関してですが、総合計画につきましては、1度の議論で終結するということではなくて、継続的な意見交換を踏まえ、策定することが必要と考えております。そのため、基本構想案につきましては、令和4年の夏頃にパブリックコメントを実施する予定でございますので、段階的に議会に報告させていただくことにより、内容の充実を図ることができると考えております。同時に、そのご意見を踏まえ、次期総合計画の方向性等について、庁内での情報共有を図り、次期総合計画開始後の事業推進に向けても準備してまいりたいと考えておるところでございます。 ◯桑原佳一議長  京西議員。 ◯16番 京西且哲議員  ご答弁ありがとうございました。  行政運営は、やはり総合計画に基づいた中で実施されていきます。計画のない行政事務、あるいは行政サービスはありません。したがって、この総合計画がきちっと策定されて、間違いなく効果を上げる現実性のある施策になるようにしていかなければなりません。そういった意味では、先ほども申し上げましたように、計画の羅列ではなくて、科学的な検証も含めて、効果のある政策立案につながるようにお願いいたします。  これから1年間、引き続き、私も議会の立場でいろいろと意見を申し上げていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  暫時休憩します。    午前11時31分休憩    午後1時再開 ◯桑原佳一議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行します。  まず、岡林議員。    (18番 岡林憲二議員登壇) ◯18番 岡林憲二議員  発言のお許しを頂きましたので、一般質問に参加させていただきます。理事者各位におかれましては、私の質問の意図をお酌み取りいただき、的確なご答弁をお願いいたします。議員各位には、どうか最後までご清聴いただきますよう、よろしくお願いいたします。  それでは、通告させていただいた項目に従い、質問に入らせていただきたいと思いますが、その前に、昨年から世界中で感染拡大が続き、いまだ収束する気配が見えない新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために第一線で従事されている医療従事者の方々に心から感謝と敬意を表したいと思います。そして、コロナ感染拡大防止のために、日本中で多くの方々が不要不急の外出を自粛し、大変不自由な生活をしている上に、遊びにも行けない、旅行にも行けないといった声も多く聞かれました。そういった中、今年3月、「きしわだ魅力発見オンラインツアー」が実施されました。今回は、そのツアーの内容について質問させていただきたいと思います。  まずは、きしわだ魅力発見オンラインツアーは、そもそもどのような目的で実施されたのかお聞かせください。また、ツアーの実施に当たり、ツアー参加者の募集目標人数と実際の参加人数、参加者の年齢層について教えてください。  次に、交通安全対策についてお聞きします。  去る6月28日、千葉県八街市で、下校途中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷するという大変痛ましい事故が発生しました。それ以前にも、平成24年4月の京都府亀岡市での同様の事故、令和元年5月には、滋賀県大津市で、保育園児ら16名が死傷する事故が発生しました。亀岡市の事故は無免許運転、大津市の事故は無理な右折、八街市は飲酒運転と、加害者の重大な過失に原因があることは明白ですが、これをきっかけに、通学路や未就学児の移動経路についても点検がなされることになり、また世間も交通安全にさらに注視するようになったところです。  そして、ここ最近の大阪府下では交通事故の死者数が激増し、大阪府警察では、現在、交通死亡事故多発警報が発令しています。私も、ふだん、市内の道路を利用して感じるのですが、狭隘な道路で児童やお年寄りなどの交通弱者のそばを、制限速度を超過して走行しているような場面を見かけるたびに、生活圏での危険性が高まっているような気がします。  そこで質問ですが、岸和田市内における令和2年の交通事故の現状についてお答えください。  以上で私の壇上からの質問は終わらせていただき、後は自席にて一問一答でさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  コロナ禍での観光につきまして、魅力創造部よりご答弁申し上げます。  きしわだ魅力発見オンラインツアーの事業は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用しまして、コロナ禍で人流の抑制を求められる中においても、本市の観光資源や魅力を定番から穴場まで、オンラインツアー形式でご案内することにより、コロナ禍が収束した後、本市を訪れていただくことを目的として実施いたしました。  ツアーの内容は、王道観光コース、ファミリーお出かけコース、歴史探訪コース、インスタ映えスポット発見コースの4つで、参加者数の目標は、各コース1日40名、3日間を想定し、合計480名としておりました。実際の参加者は、王道コース91名、ファミリーお出かけコース13名、歴史探訪コース79名、インスタ映えスポット発見コース34名の合計217名でございました。参加者の年齢層につきましては、アンケートの結果、70代以上が24.2%、60代が30.3%、50代が25.3%、40代が13.5%、30代が3.4%、20代以下は2.8%という結果でございました。  参加者の多かったコースは王道観光コースと歴史探訪コースで、それぞれ全体の約4割ずつを占めており、50代以上の参加者が多かったことからも、岸和田城など、歴史的建造物に魅力を感じていただいたものと考えております。 ◯桑原佳一議長  岸建設部長。 ◯岸勝志建設部長  ご質問の2.交通安全対策について、建設部よりご答弁申し上げます。  令和2年の交通事故の発生状況ですが、岸和田警察署調べによりますと、人身事故の発生件数は634件です。年齢層別件数で見ますと、子供、これは15歳以下でかつ中学生以下でございますが、子供が26件、高校生49件、16歳から24歳までの若年者が197件、65歳以上の高齢者が202件となっております。
     また、時間別件数で見ますと、朝の6時から8時までが58件、8時から10時までが88件、16時から18時までが100件、18時から20時までが87件となっておりまして、全体の半数以上が通勤・通学の時間単位での発生となっております。  また、類型別件数で見ますと、まず、車両相互では追突事故が221件と最も多く、次いで出会い頭事故が191件となり、全体の7割を占めております。自転車事故では、出会い頭が101件で全体の6割と最も多くなっております。また、歩行者事故では、横断歩道横断中が最も多く21件で、全体の4割を占めております。  なお、平成27年から令和2年まで、事故件数及び死傷者数共に減少傾向とはなっておりますが、昨年の死傷者数は子供が52名、高校生50名、若年者140名、高齢者116名となっております。 ◯桑原佳一議長  岡林議員。 ◯18番 岡林憲二議員  それでは、コロナ禍での観光について再質問させていただきます。  4つのコースで計217名が参加されたということでありますけれども、参加されたお客さんの満足度はいかがでしたでしょうか、お聞かせください。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  参加者の満足度でございますが、アンケート結果によりまして、83.6%の方が「参加してよかった」、15.8%の方が「まあよかった」と回答いただいておりまして、両方合わせると99.4%となりまして、大半の参加者にご満足いただいた結果となっております。 ◯桑原佳一議長  岡林議員。 ◯18番 岡林憲二議員  参加者の満足度は高かったということでありますけれども、当初の目標としていた参加人数480人には達していないとご答弁いただきました。ツアー実施による観光振興の効果や成果、そして達成度はどのようにお考えでしょうか。また、実施されての課題も含め、お聞かせください。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  本事業でございますが、さきの答弁に申し上げましたとおり、臨時交付金を活用しておりまして、昨年12月から予算措置や委託事業者の公募を行いましたので、事業開始時期が令和3年2月でございました。ツアー実施が3月12日から23日までの合計7日間でございましたので、周知期間が3週間と短期間となり、参加者数の目標に達しなかったものと考えております。  達成度としましては、今回のツアーでは、岸和田城、杉江能楽堂、だんじりなどの歴史、海産物や農作物のグルメなど、改めて本市の魅力を感じていただいた参加者が多く、特に、ふだんは立ち入ることができない岸和田城犬走りのオンラインでの体験は好評で、参加者の9割が参加前に比べて本市の印象はよくなったとアンケートで回答いただいております。本市の魅力発信は一定程度達成できたと考えております。  課題としましては、ファミリー層や若年層からの申込みが少なかったため、それらの世代に興味を持ってもらえるコンテンツづくりが必要と考えております。また、参加者の大半が受託事業者のメールマガジンからの応募で、インスタグラマーの投稿による参加者が少なかったため、インスタグラム活用世代に向けた観光コンテンツの掘り起こしや造成、SNSを通じたインフルエンサーの活用法が課題と考えております。 ◯桑原佳一議長  岡林議員。 ◯18番 岡林憲二議員  先ほど答弁していただいたようなツアーの結果を得て、今後はどのような展開をお考えでしょうか。それから、再度実施する予定はあるのでしょうか、お聞かせください。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  こちらの事業では、ツアー映像の短編版を今年の7月1日からユーチューブとホームページで無料配信し、本市の魅力発信のツールとして活用しております。今後は、オンラインツアーだけではなく、最近注目されているオンラインとリアルを組み合わせたツアーなどを調査研究してまいりたいと考えております。 ◯桑原佳一議長  岡林議員。 ◯18番 岡林憲二議員  私も、岸和田市を盛り上げたいと思い続けている人間の1人として、今回のツアーの案内チラシ等、そこらじゅうで配ったり、SNSで拡散したりしてきました。そして、もし次回があるとすれば、今回と同じように協力させていただきたいと思うとともに、私も気が向いたらツアーに参加したいなと思っていますので、今後も実施していただきたいと思います。  そして、今回この質問をするに当たり、先ほどの答弁にもありました、7月からユーチューブで無料配信されているツアー映像の短編版を見させていただきました。非常に短い内容ではございましたけれども、非常によい内容でしたので、これからは、これらの映像も活用して岸和田市の魅力発信に努めていただくことをお願いして、コロナ禍での観光についての質問を終わります。  次に、交通安全対策について、引き続き質問させていただきます。  岸和田市内の事故件数及び死傷者数は、共に減少傾向にあるとのことで、岸和田警察署や岸和田市の取組に対して一定の効果が出ていると思います。しかしながら、冒頭でも述べたとおり、全国的には悪質な事例が散見されるようになってきております。事故を未然に防ぐための取組についてお答えください。 ◯桑原佳一議長  岸建設部長。 ◯岸勝志建設部長  事故を未然に防ぐための取組といたしましては、交通事故をなくす運動岸和田市推進本部の事業におきまして、運転者向けには、交通ルールに関する講習を通して、改めて運転者に交通安全を認識させることを目的とした運転者講習会を、春と秋の交通安全運動期間前に開催いたしております。また、例年、高齢者の交通マナーの向上を図るため、ケーススタディーを行う交通安全教室も実施いたしております。子供向けには、幼稚園、小中学校からの要請を受け、各園・学校で開催される交通安全教室に警察とともに参画いたしております。しかしながら、昨年度と今年度は、運転者講習会や交通安全教室は、コロナ禍のため、開催できておりません。  また、交通安全施設の整備についてでございますが、現在、岸和田市通学路安全推進会議を設置し、小中学校における通学路及び未就学児が日常的に集団で移動する経路の安全確保に向け、岸和田市通学路等交通安全プログラムを策定し、危険箇所の把握を行うとともに、対策について関係機関と協議調整を行っております。合同点検を行い、危険箇所について、各管理者にて順次改善を行っております。  主な整備の内容でございますが、グリーンベルト、ガードレール、転落防止柵、区画線などの設置でございますが、昨年度、令和2年度には、グリーンベルト348メートル、歩行空間確保のための暗渠化15メートルの整備を行いました。特に、グリーンベルトにつきましては、平成24年度から順次進めており、施工延長約11キロメートル、施工面積5,500平方メートルに及んでおります。しかしながら、狭隘な市道が多く、ガードレールなどを設置できる幅員がないため、通勤、通学の歩行者を保護することができていない現状もございます。 ◯桑原佳一議長  岡林議員。 ◯18番 岡林憲二議員  狭隘な市道では基準を満たす幅員がないため、施設整備が困難とのことでありますけれども、欧州、ヨーロッパでは、車の進入を抑制し、特定のグループの車のみの進入を可能にすることを目的としたライジングボラードという施設があり、ライジングボラードは、通学路や幹線道路からの抜け道、観光地、歴史的中心市街地などに設置されていて、交通安全対策に成果を出しているとのことです。  そこで、ライジングボラードの設置の事例とライジングボラードの特徴などについてお答えください。 ◯桑原佳一議長  岸建設部長。 ◯岸勝志建設部長  ライジングボラードでございますが、これは、自動的に昇降する車止めのことで、通行資格のある車のみ、リモコンなどで昇降することができるため、歩行者、自転車は自由に通行でき、自動車などを通行規制することができるものです。日本では、新潟市において社会実験が行われまして、平成26年8月より本格運用が開始されており、従前の可動式通行止め看板に比べ、車両通行制限の効果を発揮しているとのことです。  また、平成31年元旦の原宿竹下通りの車両暴走事故を受けまして、原宿にはステンレス製の丈夫なライジングボラードが設置され、観光客などの安全を確保いたしております。  このライジングボラードですが、2種類ございまして、新潟市において導入されているものはソフトライジングボラードで、車両が衝突した際、折れ曲がり、その後、復元するもので、緊急車両などは踏み倒して進入することができます。よって、車両の衝突による重大事故は起きません。また、原宿や欧州に導入されているものはハードライジングボラードで、鋼鉄製であるため、強力に侵入車両を規制できますが、車両衝突による重大事故の発生事例も報告されております。 ◯桑原佳一議長  岡林議員。 ◯18番 岡林憲二議員  原宿や、欧州、ヨーロッパで導入が進んでいるハードライジングボラードは、強力な規制が可能である反面、重大事故の危険性があるとのことですが、ライジングボラードを導入した場合、どういった長所と短所があるのかお答えください。 ◯桑原佳一議長  岸建設部長。 ◯岸勝志建設部長  ライジングボラードは、車両などを遮断できるため、指定されましたゾーンについて、歩行者などの安全が確保されることから、商店街や観光地などの比較的規制のしやすい区域に導入され、にぎわいづくりに貢献いたしております。  しかしながら、なかなか普及が進まない原因といたしまして、1点目に設置費、維持費の問題がございます。先ほどの新潟市の事例では、約500万円の設置費が必要となり、それにランニングコストが加算されることとなります。  2点目は、ソフトライジングボラードは踏み倒して侵入可能なため、侵入車両への対策が必要となります。  3点目は、許可車のみ通行可能となりますので、許可車の線引きをどのようにするかが問題となります。市道は地域コミュニティーを担う生活道路の一面もあることから、一定時間内でありましても、4輪車両と歩行者、自転車を分離することは困難であると思われます。  ライジングボラードは、導入されてまだ間もありませんので、今後、調査を重ねてまいりたいと考えております。  なお、本市では、ライジングボラードのような自動車と歩行者、自転車を分離するものではございませんが、類似の新たな取組といたしまして、昨年度、車両通行止めのための電光掲示板を設置いたしました。これは、全国的にアンダーパスでの冠水事故が問題となり、設置されるようになりました通行止めの警告電光掲示板であります。JR阪和線を下越ししている大宮常盤線に設置し、ドライバーの死亡事故などを防止するものとなっております。 ◯桑原佳一議長  岡林議員。 ◯18番 岡林憲二議員  それでは、最後になりますけれども、岸和田市として、平素から交通安全対策に大変苦慮されていることが大変よく分かりました。また、そういった中でも、下松駅のアンダーパスの警告表示板等の新たな取組についてもお伺いさせていただきました。  今後も、通学路等を含めた交通安全対策について、新たな技術等の導入などを検討していただくとともに、さらなる推進をしていただくことを強く要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  次に、宇野議員。    (6番 宇野真悟議員登壇) ◯6番 宇野真悟議員  議長より発言のお許しを頂きましたので、一般質問に参加させていただきます。理事者の皆様には、市民の皆様に分かりやすい的確なるご答弁をお願いいたします。また、議員の皆様におかれましては、いましばらくご清聴いただきますようよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして質問に入らせていただきます。  まず、コロナ禍における選挙の実施についてお伺いいたします。  現在、全国各地で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されており、昨日も対象地域の追加が発表されました。大阪府におきましても、9月12日まで緊急事態宣言が発出されております。そのような中でございますが、本年10月には衆議院議員の任期満了が迫っており、また本市においては、先日、市長選挙を来年1月30日投開票の日程で行うと発表されました。集団接種や個別接種、職域接種、自衛隊などによる大規模接種など、様々な方法でのワクチン接種が進められておりますが、変異株等の流行により、予断を許さない状況が続いております。仮に、今後も緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続いていた場合に、選挙の実施は可能なのか、まずはお答えください。  続きまして、電子化された障害者手帳の利用についてお伺いいたします。  本市では、本年3月に第5次岸和田市障害者計画、第6期岸和田市障害福祉計画・第2期岸和田市障害児福祉計画が策定され、本年4月より、この新しい計画に基づき、障害福祉に係る各種施策が実行されているところでございますが、まずは、いわゆる障害者手帳と総称されます身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のそれぞれの本市における所持者数についてお答えください。また、近年のそれら所持者数の推移についても併せてお答えください。  以上で壇上からの質問を終わります。以降につきましては、自席にて一問一答形式で質問させていただきます。ご清聴ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  大西選挙管理委員会事務局長。 ◯大西吉之助選挙管理委員会事務局長兼監査事務局長兼公平委員会事務局長兼固定資産評価審査委員会書記長  コロナ禍における選挙の実施につきましてご質問いただいてございますので、私よりご答弁申し上げます。  昨年4月8日に緊急事態宣言が発出された際の総務省からの通知によりますと、「緊急事態宣言がなされた場合においても、現行法において、選挙は公職選挙法第33条等の規定に基づき執行するものであること」とされてございます。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されている中におきましても、各地で選挙が執行されてございます。議員ご指摘の、本市において今後予定されている選挙につきましても、感染症対策を行うことで実施可能であると考えてございます。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  障害者手帳に関するご質問について、福祉部よりご答弁を申し上げます。  本市における障害者手帳所持者数でございますが、令和2年度事務報告書の数字で申し上げますと、身体障害者手帳で8,274人、療育手帳で2,043人、精神障害者保健福祉手帳で2,022人でございます。平成30年度では、身体障害者手帳8,488人、療育手帳1,950人、精神障害者保健福祉手帳1,864人、また、令和元年度では、身体障害者手帳8,378人、療育手帳1,993人、精神障害者保健福祉手帳1,983人でございましたので、身体障害者手帳については若干減少しているものの、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳については、それぞれ増加傾向にございます。各手帳所持者数の推移は、ここ数年、同様の傾向となっているものでございます。 ◯桑原佳一議長  宇野議員。 ◯6番 宇野真悟議員  まずは、コロナ禍における選挙の実施につきまして、再質問させていただきます。  ご答弁によりますと、感染症対策を行い、選挙を実施するということで理解いたしましたが、本市を含む大阪府内でも新型コロナウイルス感染者が増加傾向にございます。療養中のため、投票所に行けない方がいらっしゃいますが、これらの方に関してはどのような対応をするのでしょうか。また、PCR検査で陰性となりました濃厚接触者への対応についてもどのようにするのか、併せてお答えください。 ◯桑原佳一議長  大西選挙管理委員会事務局長。
    ◯大西吉之助選挙管理委員会事務局長兼監査事務局長兼公平委員会事務局長兼固定資産評価審査委員会書記長  令和3年6月23日に特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律が施行され、宿泊施設や自宅で療養されている新型コロナウイルス感染症患者等である選挙人につきましては、外出自粛要請等を受けているため、投票所に行くことが困難であることにより、特例的に郵便等投票ができることとなりました。なお、濃厚接触者はその対象にはなってございません。令和3年6月18日付の総務省通知によりますと、投票のために外出することは不要不急の外出には当たらず、投票所において投票することは可能であるとされてございます。  投票所におきましては、基本的な感染症対策を徹底することに加え、濃厚接触者から申告があった場合には、手指の消毒、マスクの着用に加え、使い捨て手袋の着用をお願いすることや、濃厚接触者の次以降の受付順の選挙人を一定時間待機させる、または濃厚接触者を別室で待機させるなどして、濃厚接触者とその他の選挙人の投票を時間的に分けるなどの対応も考えられるとあります。  選挙管理委員会事務局といたしましては、新型コロナウイルス感染症にて療養されておられる方、また濃厚接触者と判定されている方の投票の機会を確保し、併せて、投票に来られる方の安全を確保できるよう努めてまいります。 ◯桑原佳一議長  宇野議員。 ◯6番 宇野真悟議員  それでは、安心・安全な選挙を実施するために、投票所では具体的にどのような対策を予定しているのかお答えください。 ◯桑原佳一議長  大西選挙管理委員会事務局長。 ◯大西吉之助選挙管理委員会事務局長兼監査事務局長兼公平委員会事務局長兼固定資産評価審査委員会書記長  選挙の管理執行時における感染症対策につきましては、投票所、開票所における対策の徹底や選挙人への対策の周知が求められているところでございます。  本市が現在予定しています感染症対策といたしましては、出入口に消毒液を設置し、投票に来ていただいた方に手指の消毒、マスクの着用をお願いするとともに、記載台などの定期的な消毒を行います。また、投票所の窓の開放や定期的な換気を行うなど、投票所における消毒及び換気の徹底を図ります。  投票用紙記載用の鉛筆につきましては、消毒済みのものを投票用紙交付時に1人1本お渡しし、使用後は毎回消毒を行うことといたします。なお、こちらで用意した鉛筆を使うことに不安がある方には、ご持参いただいた鉛筆をご使用いただくことも可能といたします。従事者につきましては、フェースシールド、マスクの着用を徹底し、投票用紙の交付に際しましては、手袋を着用いたします。  その他、人と人との距離の確保につきましては、入場に当たって密にならないように配慮し、記載台につきましても、隣り合った区画を使用不可といたします。この点につきましては、投票に来られた方にもご協力いただくことになろうかと思いますけれども、十分に説明し、ご理解いただきたいと考えてございます。開票所におきましても、同様の感染症対策を行いたいと考えてございます。  感染症対策につきましては、選挙きしわだなどの広報紙の配布や入場整理券の送付の際など、様々な機会において周知し、安心して投票に来ていただけるよう努めてまいりたいと考えてございます。 ◯桑原佳一議長  宇野議員。 ◯6番 宇野真悟議員  他市では、新型コロナウイルス感染症対策の一環といたしまして、期日前投票所の増設や設置期間の延長などによって密を避ける対応をしている例がございました。期日前投票所につきましては、昨日も他の議員の質問があり、商業施設1か所が利用できないので別の商業施設をお借りするということですが、さらなる期日前投票所の増設や期間の延長などはできないのか、本市の対応についてお答えください。 ◯桑原佳一議長  大西選挙管理委員会事務局長。 ◯大西吉之助選挙管理委員会事務局長兼監査事務局長兼公平委員会事務局長兼固定資産評価審査委員会書記長  期日前投票所につきましては、職員会館と山直市民センターに加えまして、土日のみでございますけれども、大型商業施設2か所のご協力を得まして、計4か所で実施してまいりました。現在、大型商業施設のうち1か所が改装中のために使用できない状況でございます。議員ご指摘のとおり、現在のコロナ禍の中、投票機会を減らすことのないよう、別の大型商業施設において実施し、投票の機会を確保する予定となってございます。  期日前投票所の増設や時間の延長につきましては、施設の選定、投票所として環境整備するための経費、また配置する人員的なことなど課題も多く、現状困難であると考えてございますけれども、少しでも分散して投票に来ていただけるよう、市のホームページ等で投票所における時間ごとの来場者数をお知らせする予定でございます。 ◯桑原佳一議長  宇野議員。 ◯6番 宇野真悟議員  期日前投票所の増設や期間の延長はなかなか厳しいというご答弁でしたが、例えば、施設からお借りする部屋を大きくするなど、最大限の配慮をしていただきたいと思います。また、ウェブサイト等での来場者の周知を行うということですが、新型コロナウイルス感染症対策も含めまして、SNS等の活用も広く実施していただきたいと思います。  投票は大切な権利の行使です。コロナ禍において選挙を実施するに当たり、最も重要なことは、市民の皆様のご理解とご協力です。大阪府内におきましても、近々選挙が実施される地域がございますので、新型コロナウイルス感染症対策等についてしっかりと確認していただいて、本市で可能なものは速やかに取り入れ、市民にとって安心・安全な選挙を実施していただきますよう要望いたしまして、この質問を終わります。  続きまして、電子化された障害者手帳の利用について再質問いたします。  ご答弁によりますと、障害者手帳所持者数は、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳の所持者数において、年々増加していることが分かりました。本市の第5次障害者計画、第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の策定に当たって実施した、障害者手帳所持者等を対象にしたアンケートによれば、18歳以上において、利用しているサービス、制度は何かという問いに対して、「各種減免(割引)制度」であると答えた人が最も多いという結果が出ております。特に、外出時に利用する鉄道、バスなどの公共交通機関や、公共施設等では、既に整備されている減免・割引制度の利用がよりスムーズに行えることが重要であると考えます。その障害者手帳所持者が、外出時に鉄道、バスなどの公共交通機関や公共施設等での減免・割引制度を利用する際には、所持している冊子型の障害者手帳を窓口などで提示する手順が必要であると聞いております。しかしながら、本市等で使われております現在の紙製の手帳は傷みやすく、出し入れに手間がかかるといった声や、様々な個人情報が記載されているため、障害者手帳を提示することに心理的な不安を感じるという声も聞かれます。  そこで、東京都では、令和2年10月より、希望者に対して、カード形式での障害者手帳の交付が始まっております。また、大阪府内におきましても、箕面市では、カード形式の障害者手帳の交付を始めているということです。このようなカード形式での障害者手帳の交付につきまして、本市の今後の対応をどうされるのかお聞かせください。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  現在の紙製で冊子型の障害者手帳については、議員ご指摘のようなご意見があることは聞き及んでございます。国においては、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれについても、従来の冊子型に加えて、カード型で交付することを可能としております。障害者手帳をカード化することによっても、各種減免や割引制度の利用に当たって、窓口等で提示するという確認のための手順そのものについては変わらないものと思われますが、紙製の手帳に比べて、利用者の負担を一定軽減する効果があると考えられます。  議員ご提案の障害者手帳のカード化については、国の示すところを踏まえつつ、療育手帳を発行する大阪府の方針や府内各市町村の動向を注視してまいります。 ◯桑原佳一議長  宇野議員。 ◯6番 宇野真悟議員  障害者手帳そのものの使用についてのお考えは理解いたしました。  大阪府の方針であるとか、府内の各市町村の動向もありまして、すぐにカード化していくことは困難かと思います。  では、障害者手帳そのものの形から少し視点を変えまして、先ほど申し上げました、最も使われております減免・割引制度の利用の場面における手帳提示の取扱いについてお尋ねいたします。  ミライロIDというスマホアプリを御存じでしょうか。障害者手帳の情報をスマートフォン上に表示する無料のアプリケーションで、大阪市の民間事業者が開発・提供しているものです。この会社の代表は自らも身体障害者でありまして、自身の経験に基づき、このアプリケーションを開発したということです。  鉄道事業者をはじめとする公共交通機関や大阪府等の自治体が運営する施設では、減免・割引制度利用の際に、このアプリで表示される画面を提示すると、障害者手帳を提示したのと同様の取扱いを受けることができるようになっております。本市の運営する施設等におきましても、岸和田城天守閣、岸和田だんじり会館、きしわだ自然資料館では、障害者手帳の提示により、入場料が無料になるという減免・割引制度がございますが、ミライロIDアプリを提示した場合、同様の取扱いとなるのかをお示しください。 ◯桑原佳一議長  前田魅力創造部長◯前田淳魅力創造部長農業委員会事務局長  魅力創造部よりご答弁申し上げます。  岸和田城天守閣、岸和田だんじり会館の入場料の免除に当たっては、岸和田城条例施行規則及び岸和田だんじり会館条例施行規則に基づき、現在、原則、障害者手帳の原本をご提示いただくこととしております。 ◯桑原佳一議長  牟田生涯学習部長。 ◯牟田親也生涯学習部長  自然資料館の入場料の免除に当たっては、きしわだ自然資料館条例施行規則に基づき、現在、原則、障害者手帳の原本のご提示によりこれを行っているところでございます。 ◯桑原佳一議長  宇野議員。 ◯6番 宇野真悟議員  各施設所管の部長からご答弁いただきました。  しかしながら、本市のいずれの施設におきましても、今のところ、減免・割引制度を利用するためには、規則どおりに障害者手帳の原本を提示することが必要ということです。障害者手帳をお持ちの方にとって、このミライロIDアプリの最も大きな利点は、今日、誰しもが当たり前のように持ち歩くスマートフォンの提示で障害者手帳の提示に変えることができるという点です。これによって、先ほど申し上げたような社会参加の様々な場面で障害者手帳を提示することによって感じている心理的な負担が大きく軽減されるものと考えます。  近隣においては、大阪府をはじめ、大阪市、堺市、富田林市、藤井寺市が既にミライロIDに事業者として登録済みで、利用可能な施設についてもアプリ上で表示されるようになっております。本市においても、せっかく整っている本市施設の減免・割引制度をより利用しやすくし、障害のある方の社会参加を促す1つの手段として、市として活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  障害のある人が公共交通機関や公共施設、各種サービス等を利用するに当たって、割引を受けるための手順等については、それぞれの事業者に任されてございます。現状では、障害者手帳原本の提示を求めているケースが多いと聞き及んでございますが、国による障害者の本人確認等の簡素化の要請を受けて、議員ご紹介のミライロIDを導入される事業者が今後も増えるものと予想はされるところでございます。  本市におけるミライロIDの導入につきましては、スマートフォンを利用することにより、心理的な負担感の軽減のほか、障害者手帳の出し入れや、常に手帳を所持しなければならない手間が省かれるなど、利便性向上の一助となり得ると考えられます。しかしながら、一方で、アプリ利用に当たって、それぞれのご利用者は、マイナンバーを含む個人情報の取扱いについて、細心の注意を必要とすることも考えられます。  今後、大阪府の取組を参考に、近隣市町村の動向も注視しつつ、研究してまいります。 ◯桑原佳一議長  宇野議員。 ◯6番 宇野真悟議員  本市の第5次障害者計画、第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の基本的な考え方によりますと、「障害の有無にかかわらず、誰もが個性や能力を発揮し、社会の構成員として主体的に社会参加するとともに、相互に認め合う、そして支え合う社会の実現を目指す」とあります。ミライロIDの活用により、障害者手帳所持者の多くが利用する各種減免・割引制度をより利用しやすくすることは、その一助となることだと考えます。ミライロIDは、岸和田市内でも鉄道やバスで利用が可能ですので、本市が運営します施設等での利用についても改めて検討していただきますよう要望いたしまして、私の一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  暫時休憩します。    午後1時44分休憩    午後2時10分再開 ◯桑原佳一議長  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行します。  まず、田中議員。    (2番 田中市子議員登壇) ◯2番 田中市子議員  議長より発言のお許しを頂きましたので、通告に従い一般質問を行います。  1つ目の質問は、誰ひとり取り残されない防災をめざしてについてです。  近年、全国各地で頻繁に自然災害が発生し、甚大な被害に見舞われています。この7月、8月にも大雨による浸水や土砂災害が各地で起き、大きな被害をもたらしました。本市でも、避難所を開設しての対応が必要な状況もありました。このような中、市民の皆さんの災害への不安、そして防災への関心も高まっています。誰1人取り残されない防災が求められます。  そこで、高齢者、障害者など、避難時の支援が必要な方々への対策、個別避難計画と福祉避難所についてお尋ねします。  まずは、この制度の概要について説明をお願いいたします。  2つ目の質問は、第5次岸和田市障害者計画、第6期岸和田市障害福祉計画・第2期岸和田市障害児福祉計画についてです。  本年3月に策定され、4月より、この新しい計画がスタートしています。第6期岸和田市障害福祉計画では、項目ごとに目標や見込み量が掲げられていますが、相談支援事業については、相談支援体制の再構築により、障害者相談支援事業の実施箇所数については3か所から倍増する見込みが記載され、スタート年である今年度には6か所になる見込みとなっています。  昨年12月の議会でもこの相談支援事業については質問させていただきましたが、改めて質問させていただきます。  計画には、「相談支援体制の再構築により障害者相談支援事業の実施個所数については第6期計画では6か所を見込んでいます」としか書かれていませんが、なぜ6か所と定めたのか説明してください。また、今年度中に実施箇所が6か所となる体制を整備するということですが、現在の進捗状況を教えてください。  以降の質問は自席より行わせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  ご質問の1.誰ひとり取り残されない防災をめざして、(1)個別避難計画・福祉避難所につきまして、危機管理部からご答弁申し上げます。  まず、個別避難計画についてでございます。  高齢者や障害者などの避難行動要支援者ごとに、避難支援を行う人や高齢者施設、親類宅など、具体の避難先などの情報を記載した計画、個別支援計画を作成するものでございます。令和3年の災害対策基本法の一部改正により、その作成を市町村の努力義務とされました。  次に、福祉避難所につきましても、これまでは、内閣府の定める福祉避難所の確保・運営ガイドラインに基づき、一度公民館などの指定避難所に避難いただき、医師などにより、指定避難所での生活が困難と判断された場合に福祉避難所に移動いただくこととなっておりました。今回の法改正に伴い、ガイドラインも改正され、一旦、公民館や学校などの指定避難所を介することなく、個別避難計画で定めた高齢者施設などへの直接避難の促進が明記されたところでございます。 ◯桑原佳一議長
     山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  相談支援事業についてのご質問でございますので、福祉部よりご答弁申し上げます。  まず、見込み量の6か所についてでございますが、これは、市民の皆様により身近な地域で相談支援事業をご利用いただけるよう、市内を6圏域に分け、各圏域に1事業所を配置することを念頭に置いた数字でございます。  議員ご案内のとおり、今年度、本市におきましては、相談支援体制の再構築を予定しておりますが、これは相談支援を必要とする市民がより身近な地域で、かつ障害の種別にかかわらず利用できる相談窓口を整備することがその目的でございます。この6つの圏域は、高齢者の相談窓口である地域包括支援センターの各担当区域と重なるように設定しております。  次に、現在の進捗状況についてでございますが、公募型プロポーザル方式を採用し、全ての圏域について受託候補事業者の選定手続を終えております。このうち4事業者については7月末に契約を完了し、既に引継ぎ業務を開始しております。残りの2事業者についても8月中に契約予定でございますので、9月には引継ぎ業務を開始することとなります。9月末までの引継ぎ期間を経て、10月から6圏域、6事業所の新たな体制による相談支援事業を実施してまいりたいと考えております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  では、防災の問題から再質問いたします。  個別避難計画の作成が努力義務化され、福祉避難所については、直接避難の場へとガイドラインが変更されたということです。この2つの変更は、避難に支援を要する方々の避難計画を構築する上で大きな前進であり、ぜひ早急に具体化してほしいという思いで今回取り上げました。  私自身、2018年、平成30年の台風21号の際、障害者の相談支援に携わっていました。災害後、安否確認などを行う中で、停電により酸素吸入器の充電がもつか不安だったという当事者や家族の声や、訪問系の事業所の方が、台風が近づいているにもかかわらず、利用者のためにその方を訪問しようとして出かけ、立ち往生し、危うく救助を求めないといけないような状況になった、そういうお話も聞きました。こういった経験から、障害者のサービス等利用計画であったり、障害児支援利用計画であったりといった、介護保険で言うならば、ケアプランに当たるようなものを作成する際、こういった災害時の備えについても計画に入れ込んでいくべきではないかと相談員同士で話していた経験があります。多くの相談員がそういったことを考えながらも、実際にはそこまで手が回らないのが実情でした。  また、避難所についても、障害のある方からは、「初めから福祉避難所に避難できないのか」といったお話もよく伺いました。今回の変更が、そのようなことを改善する大きな一歩となることを期待するものです。  では、この制度の変更に当たって、本市の取り組み方についてお示しください。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  災害等の非常時のみではなく、要支援者の日常のケアとも密接に関わる内容でございますので、福祉部局、保健部局とも協力しながら取り組んでまいります。  大阪府では、府内自治体でモデル事業を実施しております。その内容も十分参考にしながら、関係機関とも連携して取り組んでまいります。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  大阪府の自治体で取り組んでいるモデル事業なども参考にし、保健部局、福祉部局と協力しながら取り組んでいくというお答えでした。  これまでにも、個別避難計画に関しては、播磨町や篠山市など、モデル事業が実施され、その経験が伝えられています。また、先進的な取組としては、別府市が、2007年の別府群発地震とマンション火災死亡事故の経験から、2016年、平成28年度から取り組んでいます。当初、この事業は公益財団法人日本財団のモデル事業として実施し、その後、市単独事業として、1件当たり7千円の報酬がつく形で進められているということです。今年開始されたモデル事業の結果待ちだけではなく、こういったことの成果にも学び、一日も早く進めていただくようお願いいたします。  また、個別避難計画の策定について、国の交付税措置等財源が確保されると聞いています。これは、策定に当たっての大きな後押しとなると思います。  それでは、個別避難計画の対象者や今後の進め方についてお示しください。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  本市では、平成27年2月に、避難行動要支援者に関する全体計画である岸和田市避難行動要支援者支援プランを策定し、避難行動要支援者名簿の作成を進めてまいりました。また、内閣府の福祉避難所の確保・運営ガイドラインに基づき、福祉避難所の確保に努めてまいりました。個別避難計画は、避難行動要支援者名簿の登録要件に該当する方を対象に取り組んでまいりたいと考えております。今後、危機管理部、福祉部、保健部やその他関係部局と連携を図り、特に災害リスクが高いエリアに居住される方から、順次個別避難計画を策定することを目標に進めてまいります。  現在、危機管理部において、ハザードマップの改定作業中でございます。高潮ハザードマップの新設、洪水ハザードマップは浸水想定区域の拡大を行います。ハザードマップの改定後に対象者の絞り込み作業を行ってまいります。これと並行して庁内でワーキンググループを立ち上げ、今年度は制度設計などを進めてまいりたいと考えております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  この個別避難計画については、今ご説明いただきましたように、避難行動要支援者支援プランに基づいたものということです。消防庁が昨年10月に取りまとめた状況によりますと、避難行動要支援者名簿の作成については99.2%が済ませているが、個別計画は、全部策定済みが9.7%、一部策定済みが56.9%、未策定が33.4%。このように、進んでいない原因としては、マンパワーが足りないことが最も大きいということになっています。  本市は、残念ながら、個別計画についてはこの33.4%に当たるわけですが、プラン全体のこれまでの取組についてご説明ください。 ◯桑原佳一議長  山本保健部長。 ◯山本隆彦保健部長  避難行動要支援者支援プランの取組について、保健部よりお答えいたします。  本市でのこれまでの岸和田市避難行動要支援者支援プランへの取組としまして、災害が発生した場合に、必要な情報を市と地域で共有するため、自ら避難することが困難な高齢者、障害者などの皆様の避難行動要支援者名簿を作成し、毎年登録者の更新を行っているところでございます。  名簿の更新に当たっては、広報きしわだへの記事掲載に加え、要件を備えた市民の皆様それぞれに制度及びご登録のご案内を送付しております。なお、情報提供に同意された方の登録者数は、令和3年8月1日現在で2,984人となってございます。  こうして整備しました名簿は、町会、自治会、民生委員、児童委員、地区福祉委員会、防災福祉コミュニティなどの避難支援など関係者に配付し、地域において日頃から要支援者の把握と見守り、避難訓練などに活用していただいており、災害時には安否確認や避難支援などのために役立てていただいております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  避難行動要支援者については、現在、3千人近くがこの名簿に登録されていて、名簿も毎年更新し、関係者と情報を共有しているとのことで、一定の基盤はできていることが確認できました。  この中で、ハザードマップに基づき、個別計画の対象者を絞り込んでいくとのことです。個別計画の作成は、避難行動要支援者名簿に登録しても、実際にどのような支援が受けられるのか分からないと言っていた当事者の皆さんにとっても、また名簿を受け取ったが、その方たちにどのような支援を実際にしたらいいのか分からないと言われていた地域の関係者にとっても具体的なイメージを持てるようになり、防災対策が大きく前進するものと考えます。  要支援者の多くは、介護や福祉のサービスを活用しながら生活を営んでいるかと思います。日常の支援プランを熟知する方、先ほど申し上げました、障害者であれば、相談支援専門員や、介護保険の方であれば、ケアマネジャーなどが当事者を中心に、地域の方々、支援者、関係者の方々とともに個別避難計画を策定していくことが効率的かつ効果的と考えます。  続いて、福祉避難所について、もう少し詳しくお尋ねします。  先ほどの説明で、一旦公民館や学校などの指定避難所を介することなく、高齢者施設等への直接避難の促進が明記されたとのことでした。個別避難計画を作成する場合、避難所への避難が必要な方のうち、福祉避難所が適切と考えられる方には具体的な避難所が示される、そういうふうになるのでしょうか。この両方の兼ね合いについて、もう少し教えてください。  また、福祉避難所の条件、そして本市の福祉避難所の現状についてもお示しください。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  個別計画作成と福祉避難所の指定に関しましては、施設側と新制度について情報共有し、受入れ可能人数や受入れ対象者などの調査などを実施し、検討してまいります。  災害対策基本法施行規則におきましては、福祉避難所は、次の3点を満たすこととなっております。1点目は、「高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下この条において「要配慮者」という。」)の円滑な利用を確保するための措置が講じられていること」とされております。2点目が、「災害が発生した場合において要配慮者が相談し、又は助言その他の支援を受けることができる体制が整備されること」とされております。3点目は、「災害が発生した場合において主として要配慮者を滞在させるために必要な居室が可能な限り確保されること」とされております。  次に、本市の現状でございますが、12法人17施設を福祉避難所に位置づけております。内訳といたしましては、高齢者向けの施設が12施設、障害者向けの施設が5施設でございます。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  では、協定を結んでいただいている福祉避難所の現状や、その課題などの確認は行われているのでしょうか。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  福祉避難所につきましては、平成29年に、各施設の非常電源や備蓄などにつきまして聞き取り調査を実施いたしました。コロナ禍により、話合いの場自体を設けることができない状況でございますが、今年度、電話にて、施設側の受入れ可能数などの聞き取りを行いました。  各施設とも、入所定数の関係で受入れ可能件数が変動するので、可能な範囲で受入れしていくとのことで、コロナ禍での不特定な臨時入所に心配の声も聞かれました。  今後も、福祉避難所の状況確認の機会を確保してまいります。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  協定先の施設では、具体の準備や対応についての不安もあると聞きます。現状の把握や課題を引き続き共有し、対策の検討をお願いいたします。  また、個別避難計画の作成が進めば、避難所についての課題も明確になってくるとは思いますが、障害者向けの福祉施設の登録、協定が少ないのは明らかです。特に、障害児の福祉避難所の確保が必要と考えます。これまで被災地では、障害児はどのように過ごしてきたと把握されているでしょうか。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  これまでの災害の経験から、災害時においては、けいれんの頻発や運動機能の低下などの健康面や身体面への配慮、パニックや奇声を発するなどの心理行動面への対応など、障害児に対する様々な支援の必要性が指摘されております。また、車椅子で使用できる設備が十分ではない、段差などもあり、通路が狭く、避難所内の移動が困難である、休息や就寝に支障がある、コミュニケーションが取りにくいなどの問題も指摘されております。  具体的には、東日本大震災の事例では、集団生活ができない発達障害の子が避難所に入ることができずに、家族とともに、駐車場にとめた車の中で過ごしたケースなどが報告されております。  また、熊本地震について調査された学識経験者のヒアリング調査では、特別支援学校の障害児たちは避難所では落ち着けず、多くは保護者とともに車中泊を余儀なくされていたと報告されております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  今言っていただきました熊本地震での調査などを受けて、熊本県内の支援学校のPTAが保護者にアンケートを実施し、行政に対して提言を行っています。障害児と家族のニーズに特化した避難場所の必要性、福祉避難所での合理的配慮と運営できる人材育成、マニュアルの策定が必要であること。また、障害者に分かりやすい情報伝達方法と相談窓口の設置、そういったことが上げられています。  最近では、支援学校を避難所に指定する動きがありますが、これについてはどのように捉えているんでしょうか。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  学識経験者が大阪府北部の3つの支援学校で行ったアンケート結果では、災害時に避難したい場所は、地域の小中学校と並んで、支援学校を希望する意見が多くございました。その理由は、「自宅からは遠いが、慣れ親しんだ支援学校に避難したい」、「先生と一緒にいることで安心する」、「災害時でも日常生活を取り戻しやすい」などが上げられております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  では、大阪府内で支援学校を福祉避難所に指定する例はあるのでしょうか。 ◯桑原佳一議長  春木危機管理部長。 ◯春木秀一危機管理部長兼危機管理監事務取扱  堺市で指定しているとの情報を把握しております。  今後、協定内容や運用面についての情報についても調査してまいります。  また、支援学校は府立の施設でございますので、大阪府教育庁とも相談してまいります。 ◯桑原佳一議長  田中議員。
    ◯2番 田中市子議員  ありがとうございます。ぜひ進めていただくようお願いします。  また、障害児、医療的ケアを必要とする方、災害時であっても、全ての命が大切にされ、守られるよう、福祉避難所などのハード面、そして人材の育成や支援体制など、ソフト面の施策が充実されるよう、また、今回の質問では、個別避難計画の作成と福祉避難所に絞らせていただきましたが、絵に描いた餅にしないためには、研修や訓練などで計画を検証し、改善していくなど、地域の方々とともに進めていくことも必要になってきます。災害への対応を通じて日常的に交流し合え、そして市民のつながりが強まる、誰もが安心して暮らせる地域づくりにつながる、そういったチャンスとも捉え、行政が積極的に推進していただくことを強く要望してこの質問を終わります。  では、続いて相談支援事業について質問します。  地域密着型の支援体制をつくるためと説明いただきました。本来なら、6つの事業所が7月には契約を完了し、8月、9月が引継ぎ期間として予定されていました。しかし、2つの圏域に関しては、3次募集でようやく事業所が決まり、9月に引継ぎ業務が開始され、10月には新体制での相談事業実施ということで、2つの圏域に関しては引継ぎ期間が1か月しかないということです。  これまでの事業所と新たな事業所が協力して利用者の皆さんへのご案内を含めた引継ぎ業務を進めているということですが、どのような手順によるものかをお示しください。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  引継ぎ業務につきましては、これまでの事業所が継続して関わる必要のある利用者のそれぞれについて、作成した書面に基づき、新たな事業所に情報提供を行うほか、必要に応じて対象となる利用者を共に訪問するなどにより、実施していただくこととしております。新たな事業所は、引継ぎのあった利用者について、10月初旬には書面の提出により市に報告することとしておりますので、市においては、これによって引継ぎの完了を確認する手順でございます。また、引継ぎをより円滑に進めていくために、市において、利用者向けの案内文や紹介チラシを作成し、各事業所にご活用いただけるよう提示しております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  現在、相談支援事業所をご利用になっている当事者の方々への対応についてご説明いただきました。2圏域に関しては、引継ぎ期間が1か月しかないのは気になるところです。また、必要に応じて訪問などによる引継ぎも実施するとのことですが、コロナ禍で、9月12日まで緊急事態宣言が延長された中での引継ぎは大変配慮が必要になるかと思います。いずれにせよ、利用者に不利益がないよう、きちんと引継ぎをしていただくようお願いいたします。  加えて、委託相談支援は、今、引継ぎ方法を示していただいた、現在利用されている方たちだけではなく、地域の障害児、障害者、難病の方はもちろん、障害者手帳の有無を問わず、関係者など、様々な相談に対応する事業所です。幅広い市民の皆さんにこの変更を知っていただく必要があると思います。より幅広い市民の皆さんへの周知についてはどのようにお考えでしょうか。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  今後、全ての事業者との契約が完了しました後に、市公式ウェブサイト及び広報きしわだに掲載するほか、関係機関、関係団体を通じてご案内させていただく予定でございます。  また、各委託相談支援事業所におきましても、担当圏域における相談支援体制強化への取組の中で、身体・知的障害者相談員、精神保健福祉相談員や民生委員をはじめとする地域の相談機関との連携を通じて周知に努めていただくこととしております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  ウェブサイトや広報きしわだ、関係機関、関係団体を通じての周知とのことです。聴覚障害者や視覚障害者など、様々な障害の方に分かりやすく伝える配慮、例えば、音声や手話通訳の入った動画の配信など、工夫していただくようお願いいたします。  また、今回の計画でも、計画の推進に向けて、制度の周知・啓発を1番に挙げておりますが、そのとおり、本人や関係者などを置き去りにしての計画の推進はあり得ません。誰もが分かりやすい周知の方法をくれぐれもお願いいたします。  また、相談支援体制を担う事業所の皆さんの中には、これまでも委託相談支援事業所として活動してきたところもあれば、新規で参入されるところもあります。また、従来からの事業所であっても、これまであまり対応しなかった障害の分野にも対応することにもなります。  当事者からは、圏域ごとに委託相談支援事業所が決められるのでは選択ができなくなるのではないかという声も聞いています。どの圏域に住んでも、同様の質の支援が受けられるようにしていく必要があると思います。そのためには、6つの委託相談支援事業所が連携、協力し合いながら互いの蓄積などを共有し、支援力を高め合うことが、新たな相談支援体制を充実したものにしていくために必要だと考えますが、予定されている方策などがあればお示しください。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  議員ご指摘の点につきましては、新たに委託相談支援事業所として相談支援業務を担う予定の事業者に、各圏域の委託相談支援事業者と連携し、支援の充実を図るようお願いしているところでございます。また、定期的に開催します岸和田市自立支援協議会や、目的ごとに設置されている専門部会等に積極的に参画していただくことで、積み重ねてきた経験などを互いに共有して課題への対応力を高め合っていただくこととしております。 ◯桑原佳一議長  田中議員。 ◯2番 田中市子議員  ぜひそういった枠組みを十分に活用し、よりよい相談支援を提供できるようにしていただきたいと思います。市としても、助言や支援に取り組んでください。  また、市が相談支援体制を再構築する、体制を大きく変える選択をした以上、この新しい体制でよりよい支援ができるようにしていただくこと。先ほど質問させていただきました防災に関しても、第5次岸和田市障害者計画で防災対策の推進が明記されています。地域密着型の新しい相談支援体制を生かして、障害のある方たちへの個別避難計画なども前進させることを要望してこの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  次に、鳥居議員。    (20番 鳥居宏次議員登壇) ◯20番 鳥居宏次議員  発言のお許しを頂きましたので、一般質問に参加させていただきます。しばらくの間、ご清聴お願い申し上げます。  1.「社会を明るくする運動」と再犯防止の推進について。  地域における再犯を防止するには、犯罪をした人に対する直接的な相談、支援が重要であります。社会に復帰した後も、その地域社会で孤立しないよう、息の長い支援を実施していくことが求められています。本市の現状では、刑務所や少年院から出所して保護観察となっている件数は、令和2年、64件あります。そして、そうした施設から出所してくる対象者の身元引受人を調査する生活環境調整件数は72件であります。これまでの10年間でかなり減少していますが、社会にうまく適応できるようにすることは大変なことです。現在、保護司が80名、更生保護女性会が157名、仕事に就職できるように支援活動している協力雇用主は20者であり、更生保護に取り組んでいます。  それでは、質問に入ります。  (1)更生保護の現状について。  児童生徒数が減少している中で、増加している学校での暴力行為、不登校、いじめの認知件数等、生徒指導の現状についてお伺いいたします。  本市では、青少年問題協議会が市長の諮問機関として設置されていますが、その審議内容や活動内容について、さらに毎年実施されている社会を明るくする運動の内容についてお伺いいたします。  次に、(2)再犯防止と犯罪や非行からの立ち直り支援について。  少年院から出院し、復学、進学を希望する対象者への支援をどのようにしているのか。また、公共工事における、就労支援の活動をしている協力雇用主に対する加点評価の採用についてお伺いいたします。  次に、再犯防止を推進していくため、地方公共団体との連携が必要であります。市職員向けの再犯防止の研修についてどのようにお考えかお伺いいたします。  (3)本市の再犯防止推進計画の策定について。  国や自治体、民間が連携し、犯罪行為に対する差別、偏見をなくし、正直に話せる社会、生き直しができる社会の土壌づくりが大切であります。再犯防止推進計画は、犯罪のない明るい社会をつくるために欠かせない取組であります。刑務所を出所しても住む場所がない、働きたくても、出所者であると伝えると就職を断られる、お金がないために病気の治療ができない、保証人がいないため、住宅が借りられない。こうした、生活するのに障害となる問題を解決するため、保護司会や更生保護女性会、協力雇用主会との連携や、行政に関わる市職員も参加した問題解決するための取組が重要であります。再犯防止推進計画をどのように構築するのかお伺いいたします。  以上を壇上からの1回目の質問とします。ご清聴ありがとうございました。 ◯桑原佳一議長  和泉学校教育部長。 ◯和泉全史学校教育部長  ご質問のうち、学校教育部に係る質問につきまして、お答えさせていただきます。  1点目は、更生保護の現状についてのうち、現在の岸和田市の学校での生徒指導の状況につきまして、小中学校における令和2年度の暴力行為、不登校、いじめ認知のそれぞれの状況を申し上げます。  まず、暴力行為についてでございますが、小学校で112件、中学校では269件となってございます。傾向としては増加傾向にありまして、また児童生徒数における発生割合で見ましても高くなってございます。特徴といたしましては、小学校では児童間暴力の件数、中学校では対教師暴力の件数が多いところでございます。  続きまして、不登校についてでございますが、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいは登校したくてもできない状況が年間を通して30日以上あって欠席した場合、計上されることになってございます。令和2年度、小学校では136名、中学校では295名となっております。低年齢化、また長期化しているケースも増えてございます。  最後に、いじめを認知した件数でございますが、小学校で381件、中学校で246件となってございます。積極的にいじめの認知を進めていこうという国の方針にのっとりまして、岸和田市内におきましても、認知件数が年々増加してございます。この点に関しましては、いじめに対する教職員の共通認識を深めることにより、いじめを敏感に捉え、そしていじめ解消に向けて適切に対応しているものと評価しているところでございます。  ご質問の(2)再犯防止と犯罪や非行からの立ち直り支援について、少年院からの出院後、復学・進学を希望する対象者への支援についてのご質問でございます。  生徒が在学中に少年院に収容されることになった場合、担任であったり生徒指導担当教員であったりが定期的に面会し、また、直接学習指導等を行ったり、進路指導に向けての思いを聞き取ったりしております。特に、収容期間中に卒業を迎える場合は、保護者と連携し、進路実現に向けて意思疎通を図るなど、必要な支援を行っております。また、再犯防止の観点から、保護司や関係諸機関とも綿密な連携を図って支援を行っているところでございます。 ◯桑原佳一議長  牟田生涯学習部長。 ◯牟田親也生涯学習部長  青少年問題協議会及び社会を明るくする運動の内容について、生涯学習部よりご答弁申し上げます。  まず、青少年問題協議会の審議内容及び活動内容ですが、青少年の指導、育成、保護及び矯正に関する総合的な施策の充実につき、必要な重要事項を調査審議し、適切な実施を期するために必要な関係行政機関相互の連絡調整を図ることを目的とした協議会でございます。現在、委員数は16名、学識経験者、関係団体、関係行政機関の代表者や市民公募の委員で組織されております。  協議会は、年間2回程度開催しており、青少年対策基本方針、青少年施策資料の作成のほか、暴走族追放・少年非行防止強調月間、青少年健全育成強調月間などの事業を実施しております。  令和2年度においては、小中学生の保護者を対象としたスマートフォンの利用方法についてのパンフレットを作成いたしました。また、民法改正による成年年齢の引下げによる成人式の取扱いなどが話し合われました。平成30年度や令和元年度においては、スマートフォンの取扱いや、11月3日の暴走行為の対策が話し合われております。  また、令和3年度の青少年問題協議会は、新型コロナウイルス感染症の拡大の観点から、開催できておりません。  次に、社会を明るくする運動についてご説明申し上げます。  社会を明るくする運動は、全ての国民が犯罪や非行の防止と、犯罪や非行を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい社会を築くための全国的な運動でございます。令和3年度で71回目を迎えます。  社会を明るくする運動は、岸和田地区更生保護サポートセンターを活動の拠点として実施しております。  令和3年度の活動といたしましては、小中学生の作文コンテストの募集、7月強調月間において各市民センターにのぼりを設置、中央地区公民館では懸垂幕の設置やポケットティッシュの配布を行いました。また、毎年、市民集会「青少年非行防止、社会を明るくする運動」をマドカホールにて、青少年問題協議会とともに開催しております。時々の時世によりまして、講師を招いて体験談などを語っていただき、日頃の青少年の非行防止活動や再犯防止活動に活用しているところでございます。令和2年度、3年度の市民集会については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止となっております。今後は、秋に研修会を開催する予定で進めております。 ◯桑原佳一議長  残総務部長。 ◯残実総務部長  ご質問の1.「社会を明るくする運動」と再犯防止の推進についての(2)再犯防止と犯罪や非行からの立ち直り支援についてのうち、総務部に関する部分につきまして、2点ご質問を頂きましたので、ご答弁申し上げます。  まず、就労支援、協力雇用主に対する加点評価の採用についてでございますが、協力雇用主とは、犯罪をした者等の自立及び社会復帰に協力することを目的として、犯罪をした者等を雇用し、または雇用しようとする民間の事業主のことでございます。法務省の調査によりますと、刑務所再入所者の約7割は再犯時に無職であり、刑務所出所者等の再犯防止のためには、就労支援や雇用の確保が大変重要でございます。そのため、刑務所出所者等の雇用に協力いただける協力雇用主に対する支援が重要とされてございます。  地方公共団体における協力雇用主支援等の取組状況でございますが、保護観察対象者等を雇用した経験のある協力雇用主等に対し、入札参加資格審査や総合評価落札方式における優遇措置を導入する地方公共団体が年々増加してございます。令和2年度犯罪白書によりますと、令和元年度末現在、地方公共団体におきまして、145の団体が入札参加資格審査において、58の団体が総合評価落札方式において、協力雇用主支援等に取り組んでいるとされてございます。  本市では、市庁舎清掃警備等管理業務委託の入札につきまして、令和2年度までは総合評価落札方式を採用しておりまして、就労困難者などの雇用のための公的機関への参加や加入している事業者や、就労困難者を雇用している事業者につきまして、加点対象としたところでございます。  今後も、総合評価落札方式を採用することが適正と考えられる入札につきましては、就労困難者の雇用に関する取組を評価項目として実施してまいりたいと考えてございます。  次に、市職員向けの再犯防止の研修についてでございますが、本市では、研修計画の中で、基本研修のほか、毎年様々な内容の特別研修を実施してございます。研修目的の1つとして、多様化する市民ニーズに幅広く柔軟に対応していくため、職員が現在担当している業務について、専門性を高める研修だけでなく、将来、人事異動により担当する業務が変わっていくことから、幅広い視野で様々な知識を習得していくことも求められてございます。今回のご質問におけます再犯防止と犯罪や非行からの立ち直り支援等に関する内容もその1つと考えてございます。  今年度の研修計画につきましては、既に決定し、実施しておりますが、来年度以降、研修メニューの1つとして取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  ご質問のうち、本市の再犯防止推進計画の策定につきまして、福祉部よりご答弁申し上げます。  犯罪をして検挙された人に占める再犯者の割合は年々緩やかに増加し、令和元年では48.8%と、約半数を占めております。安全・安心な社会を構築する上で、再犯防止の取組は大きな課題となってございます。  平成28年12月に再犯の防止等の推進に関する法律が公布・施行され、さらに翌年12月には、国において、国民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会の実現を図るため、再犯防止推進計画が策定されております。この計画は、今後5年間で政府が取り組む再犯防止に関する施策を盛り込んだものとなっております。  また、令和元年12月に関係閣僚会議決定された再犯防止推進計画加速化プランにおきまして、地方公共団体による地方再犯防止推進計画の策定についての方向性が示されております。これらのことから、本市におきましては、今年度策定予定の地域福祉計画において、再犯防止の推進について、岸和田地区保護司会等にもご意見を伺いながら一体的に議論しておりまして、本市の再犯防止推進計画につきましては、第5次地域福祉計画に内包する形で進めているところでございます。  また、今年度、第5次地域福祉計画の策定に向けて、新たに再犯防止に関する設問を設け、市民アンケート調査を実施してございまして、再犯防止推進計画の策定の参考にしてまいりたいと考えてございます。 ◯桑原佳一議長  鳥居議員。 ◯20番 鳥居宏次議員  再質問したいと思います。  まず、生徒指導の現状について答弁を頂きました。気になることは、生徒児童の総数が減少しているのに、不登校やいじめを認知した件数が増加していること、特に小学校での児童間暴力、中学校では対教師暴力が大きく増加していることであります。もう一度これらの問題行動に対する防止策についてお伺いいたします。 ◯桑原佳一議長  和泉学校教育部長。
    ◯和泉全史学校教育部長  問題行動、いずれの課題におきましても、保護者や地域の方々はもちろんのこと、専門家や関係諸機関等と連携して対応することが重要であると考えております。本市では、支援チームとして、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、教員OBや警察OB等に協力いただき、個別の事案に対応できる体制を構築して取り組んでいるところでございます。  また、もう1点は、学校が全ての子供たちにとって安心・安全で魅力的な場となるよう努めることが重要であると考えてございます。分かる授業を提供することはもちろん、子供たちが参画する活動を充実させることで自己肯定感や自己有用感を高め、問題行動の予防・未然防止に努めてまいりたいと考えております。 ◯桑原佳一議長  鳥居議員。 ◯20番 鳥居宏次議員  次に、青少年問題協議会での検討課題についての答弁がありました。令和2年度の青少年問題協議会での議題には、学校でのスマートフォンの使用方法や成人式の実施方法について、さらには、質問にある再犯防止推進計画の策定について、どのような検討がなされたのかお伺いいたします。 ◯桑原佳一議長  牟田生涯学習部長。 ◯牟田親也生涯学習部長  スマートフォンの使用方法につきましては、子供たちがスマートフォンに関する犯罪などに巻き込まれないように啓発するためのアピールペーパーを配布するなどが検討されました。また、令和4年4月から、民法改正により、成年年齢が18歳となります。それに伴い、成人式の実施方法についてご意見を頂きました。他の法令においては18歳で認められないことが多数あること、例えば飲酒、喫煙などは20歳のままであることなど、考慮すべき点があるのではないかという意見がありました。  また、平成29年12月に再犯防止推進計画が閣議決定され、国と地方自治体と民間が一丸となって再犯防止の取組を推進していこうとするものでございます。  青少年問題協議会の中では、各関係機関、各関係団体が連携し、取り組んでいかなければならないという意見がございました。 ◯桑原佳一議長  鳥居議員。 ◯20番 鳥居宏次議員  二、三、要望を申し上げたいと思います。  少年院から出院し、復学、進学を希望する対象者への進路支援では、担任や生徒指導の教員と保護者と緊密な連携を取っていただきたいと思います。さらに、協力雇用主の7割は従業員規模が小さく、支援策の強化が必要です。就職困難者の雇用をつくっていくことは大切で、支援をよろしくお願いいたします。  そして、職員向けの研修は、来年度に向けて実施していくとの答弁でした。職員にも、更生保護の仕組みや犯罪のない明るい社会をつくっていくことが大事であるという研修に取り組んでいただきたい、これは要望としてお願いいたします。  次に、令和3年度、71回目の社会を明るくする運動は、コロナ禍の中で、7月に実施されませんでした。しかし、小中学生による作文コンテストには1,536点もの応募がありました。その中でも、本年度からつくられた教育長賞に輝いた葛城中学校3年生の北岡さんの作文では、犯罪、非行はもちろんしてはいけないことだが、一度起こしてしまうと終わりというわけではない。本当にやり直したいと思ったなら更生することができる。しかし、それを1人で成し遂げることはできない。刑務官や友達などの周りの人に助けられることで更生できる。私たちに必要なことは、犯罪、非行の数を減らす、そして視野を広げることだ。様々なことを知ろうとし、共有し、理解し合うようになれば、明るい社会はもう目の前だろうという内容で、大変感動いたしました。  青少年の問題行動、さらには更生保護について、教育長からお伺いいたします。 ◯桑原佳一議長  大下教育長。 ◯大下達哉教育長  岸和田の小学校、中学校の現状は暴力行為が増えているということで、学力の向上と併せ、大変大きな課題であると考えております。こういう暴力行為等々については、周りの子供たちの学習環境に悪影響を与えることはもちろんですけれども、当該暴力を行う子供たちの学びや成長を止めかねない、大変危惧すべき問題であると考えております。  このため、学校においては、専門機関の助言を得ながら、教員が子供たちに寄り添い、信頼感を高めることを前提として生徒指導、子供たちの指導に当たっているところでございますけれども、やはり子供たちの問題行動、これを改善していくためには、学校だけではなしに、やはり家庭、それに地域が一体となって取り組んでいく必要があると考えております。  地域におきましては、青少年指導員、PTA、それから子供会、青年団といった青少年問題協議会にご参画いただいている皆さん、大変ご尽力いただいております。例えば、夜中に子供たちが集まって騒いでいるという情報が入れば、すぐに駆けつけて帰宅を促していただいたり、またお祭り、イベントの際には、子供たちがトラブルに巻き込まれていないか、何か問題行動を起こしていないか見回りをし、声がけをしたりしていただいているということでございます。  こういう身近な大人たちに声をかけてもらうことは、子供たちの信頼感も高まりますし、またその注意にも耳を傾けやすいということで、大変有意義な行動を行い、貢献いただいているのではないかと感謝申し上げている次第でございます。  また、保護司会、更生保護女性会を中心とした社会を明るくする運動につきましては、今年度、去年もそうですけれども、コロナの関係で大変大きな、活動に制約を受けられたようでございますけれども、議員からご紹介がございましたように、作文コンテストを今年も実施していただきました。この作文コンテストを通じて、岸和田の小中学生は、犯罪や非行問題だけではなしに、刑余者、刑期を終えた方々の更生にも思いを致す非常に貴重な機会を与えていただきました。また、これをしっかりと考えることで子供たち自身の人権意識も高まって、それがひいては、問題行動や犯罪の防止にもつながっていく大変貴重な取組であると感謝申し上げておる次第でございます。  教育委員会としては、今後ともこのような民間の大変優れたご活動のご尽力をいただきながら、共に力を合わせて、子供たちの健全な育成に引き続き努力してまいる所存でございます。 ◯桑原佳一議長  鳥居議員。 ◯20番 鳥居宏次議員  次に、再犯防止推進計画については、地域福祉計画の策定の折に、その中で内包するとの答弁でした。では、再犯防止推進計画の策定は、大阪府内の各自治体ではどのぐらい取り組んでおられるのでしょうか。  また、先ほど市民アンケート調査の中でも再犯防止に関する質問を設けたとありました。この市民アンケート調査でどういう結果だったのかお示しください。 ◯桑原佳一議長  山本福祉部長。 ◯山本美和福祉部長  まず、大阪府内各自治体における再犯防止推進計画の策定状況でございますが、令和2年度までに策定済みの自治体は18団体、今年度策定予定は本市を含め、7団体でございます。  また、市民アンケート調査についてでございますが、まず「再犯防止の取組を御存じですか」との設問については、「初めて聞いた」、あるいは「聞いたことはあるが内容は知らなかった」との回答が共に4割ずつ、合わせて8割でございました。  次に、「再犯防止の取組をどのように思われますか」との設問については、「自分がやることは難しいが、取組は必要だと思う」との回答が約6割で、次いで、「取り組んでいる人や団体は応援したい」との回答が約2割という結果でございました。 ◯桑原佳一議長  鳥居議員。 ◯20番 鳥居宏次議員  今、答弁いただいたように、「初めて聞いた」、あるいは「聞いたことはあるが内容は知らなかった」というのが8割でありました。そして、「自分がやることは難しいが、取組は必要だと思う」という回答が6割で、次いで、「取り組んでいる人や団体を応援したい」という回答が2割という答弁でありました。  先ほど教育長にも、作文コンテストで教育長賞をもらった人の紹介をしたんですけれども、もう一つ、市長賞の作文を少し紹介したいと思います。市長賞に輝いたのは、城内小学校6年生の辻さんで、作文では、「「罪を犯してしまった。だから、もう無理。」ではなくて、プラス思考で、ゆるしてもらうために一生けん命がんばって、罪をつぐなうことが大切だと思う。私はこれからの未来、この私の願いが叶う社会になってほしい。」というすばらしい内容でした。  再犯防止と明るい社会を目指すために市長にお聞きいたします。どのような取組が必要と考えているかお伺いいたします。 ◯桑原佳一議長  永野市長。 ◯永野耕平市長  更生保護の取組については、保護司会の皆様、そして更生保護女性会の皆様、そして協力雇用主の皆様が大変力強く進めていただいておりまして、また鳥居議員におかれましても、自ら保護司として、長きにわたってお支えいただいております。心から感謝申し上げます。  さて、今ご紹介いただいた今回の作文コンテスト中での小学6年生の辻さんの文章の中にありますように、罪を犯してしまったら、もうそれで人生おしまいということではなくて、しっかりとやり直しがきくような周りのサポートが必要であります。僕自身も、これまでたくさん人々に迷惑をかけて、家族や社会に迷惑をかけたこともたくさんございます。それを償いながら、申し訳ないなという思い、人に迷惑をかけたなという思いを持ちながら、自分を戒めながら日々過ごしておりますし、そういった気持ちが人間にとっては大事なのかなと思います。  行政といたしましては、岸和田市としては、地域福祉計画を策定する中で、更生保護についてもしっかりと位置づけをしていきたいと思っております。その中で、保護司会、更生保護女性会、そして協力雇用主の皆様と行政との連携をしっかりと密にする中で、犯罪は起こってはいけないことでありますけれども、万が一犯罪を犯してしまった方がおられても、その方がもう一度人生をやり直せるように、何度失敗しても、もう一度社会に参加できるように、そんな優しくて温かい、力強い社会づくりを心がけていきたいと思います。ありがとうございます。 ◯桑原佳一議長  鳥居議員。 ◯20番 鳥居宏次議員  市長からも答弁を頂きました。  作文が約1,500点集まってきている中で、いろんな賞があったんですけれども、私もその作文を拝見して非常に感動したことを伝えておきたいと思います。コロナ禍の中でほとんどの行事が中止になりましたけれども、作文コンテスト自体は実施されておって、小学生、中学生が犯罪に対する考えをきちっと持っていただいていることを確認いたしまして、本当にうれしい気持ちであります。市も、先ほどの答弁で、今回改定するときには、再犯防止の推進を計画に織り込んでいくと答弁いただきました。刑務所とか少年院とかを出てきても、先ほど答弁の中にあったように、ほぼ2人に1人が再犯を犯している事実がありまして、この点は国も、非常に再犯を防止する対策を立てなければならないと。それは今の社会で犯罪のない明るい社会をつくっていくことであり、推進していくとなっております。ひとつ今後、計画の策定と、そして職員も含んで実行していただくことをお願いして質問は終わります。 ◯桑原佳一議長  この際、お諮りします。  本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」の声あり〕 ◯桑原佳一議長  ご異議なしと認めます。よって、本日は延会することに決しました。  本日はこれにて延会します。    午後3時19分延会 Copyright (c) Kishiwada City Assembly, All rights reserved....